第20回公演「ほおずきの街」 | ||
日時 | 2012年7月29日(日) 13:00/16:30 | |
場所 | 門仲天井ホール | |
CAST 溥(あまね)/七海明美 漱(すすぎ)/横山秀男 浬(かいり)/神桜柚菜 汐(しお)・カガチ/吉田美千子 STAFF 作・演出/吉田美千子 照明効果/佐藤多津行 音響効果/内山良子 制作総指揮/吉田美千子 |
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「古い小さな井戸がひとつ 誰のために水を汲む 明日目覚めて生きるため 今日も僕は水を汲む」 生まれ故郷に伝わる井戸のうたを口ずさみながら、砂漠をひとり旅する溥(あまね)。 腰に下げた水筒は、空っぽだ。 「おや、あんた、人を捜しているのかい?」 小さな人影に呼び止められる。 「あの街まで、まっすぐ歩いていくといい。明け方にはたどり着けるだろう。 もちろん、水も貰えるさ。 …探し人にも、そこで会えるだろう」 占い師だと名乗る者の、指がまっすぐと方向を示す。 「あの街は、幸せの街さ。だからもし、あんたが忘れたくない痛みを抱えているのなら…水を貰ったら、すぐに街を出るんだね。そう、幸せに、呑まれるからねぇ」 溥はまっすぐに歩き出した。 街には小さな井戸がひとつ。 微笑みをたたえた街人は、何でもないことのように旅人にこう言うのだった。 「好きなだけ、汲んでいいんですよ?」 |
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