お米粒 穴から出てきて こんにちは
上田 柾流


<解説文>
【月影星之介オヤシラズ抜歯体験を親友上田柾流が語る!!】

その前に。

『月影星之介本人による前回までのあらすじ』

 月影星之介(男前)はある日、自分のオヤシラズが虫歯だということに気が

 付いた。痛み、激痛、そして雄叫び。「うおおおおお!!」。一緒に旅をし

 てきた仲間達を次々に失い、自らも生死を彷徨うほどの激しい闘いの末、

 ついに星之介(リーダー)は黒い虫に蝕まれたオヤシラズを抜くことに成功

 したのだ!!

二章・『抜歯・・・その後』編

 星之介は(今どき)スーパーファミコンのRPGにハマり、「子どもたちを追って

お菓子の山にあめ玉拾いに行って、例に漏れずイベントに巻き込まれているの

で手がはなせない」とかワケのわからないことをわめくので、わたくし上田柾流が

カッコ抜きでその後の星之介の様子を語るとしよう。

 (やあ、星之介だよ!!さて、僕が今やっているゲームのタイトルがわかる

かな?当たった人には抽選で)

 さあ!!オヤシラズの抜歯を無事終えた星之介だが、ほんとうの苦しみはそこ

から始まったのだった。

 (そう、まずはあの麻酔。受付にいるオネエさんが優しく僕に微笑みながら、


「麻酔は半日ほど効いていますから」などと抜かす。唇がジンジンと痺れる。顎を

爪で引っ掻いてみるが、感覚はない。この僕が、綺麗なオネエさんを目の前に

して口説き文句のひとつも紡ぎ出せないとは。この僕が、優しい瞳で薬を差し

出す薬剤師さんに腰もとろけるような優雅な微笑みのひとつも返せないとは。

おお、神よ、あなたは僕を見放したというのか!!・・・無神論者だけど。)

 少し静かにしてろよ!!僕が説明してるんだから!!コホン。そして、麻酔の

他に星之介を苦しめたもの、それは・・・

 (それはまさしく食べ物の誘惑だった。僕の胃は食べ物を求めて切なげに

キュウキュウと鳴く。しかし、抜歯後の傷口のジュクジュクとした痛みが食べ物を

受け付けてくれない。そう、あの時の僕は、まさに陽子お嬢様が差しだした水

すらも口にしなかった力石ほどに腹ペコだった・・・。別に減量はしてないけど。)

 闘う為に腹ペコになってる力石と一緒にするなよ!!

 (今ではすっかり傷も癒え、僕は力石ほど腹ペコではない。しかし、僕の口内

深くにあいた黒い穴は今でも僕を悩ませる。僕の抜歯穴は、日本人の魂・大好

きなお米がスッポリとハマル大きさなのだ。ああ、お米、愛しいササニシキ、コシ

ヒカリにヒトメボレ。君たちはどうしてそんなにソコが好きなんだい?歯磨きすると

君たちが思わぬ所からヒョッコリ出てきたりするもんだから、お兄さんビックリしち

ゃうよ。そう、まるで、街角でばったりととっつあんに会ってしまったルパン三世の

ようにね・・・。まあ、僕はどっちかっていうとルパンよりもマモータイプだけどね。)


カッコがとれただけで役割かわんないじゃないか!!・上田柾流  
(あれ?上田くん、居たの?みんな、虫歯には気をつけようね!)・月影星之介