壱月 第四週


  人員は 数より質だと 心底思った…

                                                守餌象

  とりあえず 病気になれば  いいのかな

                                                舞無舞無

人にはそれぞれ、『ああ、コレ弱いわ〜』というシチュエーションがあると思う。
“そぼ降る雨の中、捨てられた猫を抱き上げて『お前も…独りぼっちなんだな…』と呟く彼の寂しい横顔”とか、そういうことな。
私は眼鏡に弱い。
優男に弱い。
私の知らないことを教えてくれる人に弱い。
制服(専門職)に弱い。
そして、私を気遣い、心配されることに弱い。
今日、これら全てを満たす男性にお会いしました。
会社近くの薬局にお勤め薬剤師さんだ。
白衣着用で、唇が薄く、線の細いヨン様。
外見は例えればそんな感じ。
『…ヨン様好きだっけ?』
別に好きではない。
が、その薬剤師さんの顔は好きだ。
俗に言う、アレですよ、『好きになった人が理想のタイプです』とかいう、ちょっと変な日本語の…一昔前のアイドルの模範解答みたいなアレ。今日の私はこの人が好きなの。
明日のことなんか知らないわ…!(格好いい〜!←?)
第一印象がヨン様なんだから、当然、眼鏡で顔つきは優しげ。
薬剤師だから、当然、薬についてすらすら説明してくれる。
そして、私の心をガッチリ掴んだこの一言。
『痛みが強いようですが、大丈夫ですか? 食事は摂れていますか…?』
痛みが強かろうと何だろうとわたくしは飯を食う女。
私を良く知る者達はみんなそれを知っているので、私にこんなことを尋ねたりはしない…。
飯を良く食う女は、あまり人に心配されない(笑)。
余談だが、先日、胃薬を服用(最近、胃痛です)してるところを七海氏に目撃され、『大丈夫なのか』と尋ねられたときも、ちょっとグッときた。しかし、その後に、「大丈夫! 焼き豚食えるくらいだし」と答えたことにより、全てが台無しだった(笑)。胃痛なのに焼き豚(しかもブロック)を食う女。
心配の甲斐なし・・・!
話を戻すが、彼の発したその余りに新鮮な問い掛けに、私は舞い上がった。
(別に彼は私個人を心配しているわけじゃなく、マニュアルに従って訊いているのだと気付くのは、かなり経ってからだった…)
「えと、ハイ。何とか。適当に。」
…見栄張った!
痛くても積極的にモノ食うから大丈夫なのに!
しかし、私の答えを聞いた彼の顔は曇った。
『どうしても辛かったら、ヨーグルトとかだけでもいいから、胃に入れるようにして下さいね…』
私にとってはヨーグルトしか食えない方が辛いです、ヨン氏…。
と、言うわけで、久しぶりに(男性に)身体を心配され、気遣われたので、(たった二言で)このまま恋しちゃおうかしらなんて思ったりもしたんだけど、とりあえず、彼に会うためには、ひたすら薬を貰う女にならねばならず、それはつまり“病気”になるということで…。かなりハイリスク、ローリターン・・・。
むぅ、このトキメキ、とりあえずなかったことにさせて頂く・・・ということで、私の中の決着が付きました。
ああ、せめて、彼が美容師であってくれたら、毎月髪を切りに行くのに・・・。(確実にサル化)
コックさんだったら、毎日お店に通うのに!!(確実に太るよね)
警察官だったら、毎日・・・小銭を拾って届けるわ・・・!(確実に電波)
あーあ。実りのある出会いって、なかなかないわネ!!!

  おやすみ
                                                紀之一多





A Theatrical Campany yakoudou