オジサンに 変なナンパを されました
舞無舞無
ナンパだったのか何なのか・・・。その実、良く分からないんですけどね。
残業を終えての会社帰り、時間は10時半過ぎ。
自宅最寄り駅に降り立った私は、「晩御飯」について一心に考えていた。
サイゼリヤ(開いてるファミレスがそこしかない・・・)に寄ってガッツリ食うか。
コンビニ弁当を買ってガッツリ食うか。
マックでビックマックセットを買ってガッツリ食うか。
家で作ってガッツリ食うか。
10時過ぎだから・・・食べちゃダメだよne! とか、軽めに・・・! とかいう、新陳代謝が落ち始めた30代女子的な発想は微塵もないわけで。
オンリー・ガッツリ。頭の中では「肉、肉、肉、肉!!!!」というちょっとした獣のようになっておったのじゃった・・・。
「んんん〜。やっぱりサイゼリヤかな〜。でも、惹かれるような肉メニューがないんだよな〜。
・・・羊肉復活させてくれないかな〜」
とか何とか色々考えながら歩いていたら、正面からふいに声を掛けられた。
「あのう、イトーヨーカドーの入口ってここ・・・ですよね?」
丸っこい顔の、キューピーちゃんのようなオジサンだった。(頭髪の辺りが)
『ハァ。入口は・・・ここ・・・ですねぃ』
すげー「困ってる」オーラが出ていたので、思わず立ち止まって答えた。情けは人の為ならず。
「ですよね・・・。あの、10時に東口のヨーカドーって言われたんですけど、まだ、相手が来なくて・・・!」
・・・不思議な待ち合わせ場所だな、オイ。
まぁ、確かに混雑の改札よりは、閉店(食料品売り場はやってるが)したヨーカドー入口前の方が人通りもなく、適してるかもしれんが・・・。
「ハァ。でも、東口のヨーカドーは間違いなくここですから・・・。携帯に電話してみたら如何でしょう?」
うん、俺、イイコト言った! っつーか、それくらいしか言えん!!
「早くいらっしゃるといいですね」
爽やかに言い残し、私はサイゼリヤに向かうべく、オジサンの前を通り過ぎた。(←いつの間にか決まってる)と、思い出した。
「あ、このヨーカドーって5階にも出入口あるんだった!!!」
そう、何故か2階と5階にひとつずつ出入口があるんである。因みに、私、ヨーカドー館内が開いているときは、2階の入口から入って5階から出ると、坂の上り下りをしないでいい仕組みになっている。
もしかしたら、相手は5階の入口の方を指定してたんじゃないか?
・・・まぁ、ちょっと・・・かなり・・・変だけど。(10時にその入口に行くためには、わざわざ非常階段を上らないとならず、5階の入口のほうに出ても・・・何もない。どうせ待ち合わせるなら、2階入口のほうが後の行動に便利)
「教えてあげよ〜」と思い、私は来た道を戻った。
何でそこまで親切だったかというと・・・今の部屋を契約するときに、私自身が2階入口と5階入口を混同して20分ほど迷ったという、苦い思い出があったからだ。
「あの、ですね、5階にも出入口があることを思い出しました!! もしかしたら、そっちでお待ちなのかも」
戻ってきた私に、オジサンはビックリした様子だった。
『そう・・・なんですか』
「はい。そこの非常階段をずーっと上まで上っていくと出られますから。じゃ!」
うん、俺、良く気付いた!! いつもこれくらい頭が回れば、あれで、それなのにな!!!
非常にご満悦で、さぁ、今度こそサイゼリヤに・・・と行きかけたとき。
「ありがとうございます。あの・・・良かったらお茶でも」
って言われた。
はう?! 心の中の八千さんが奇声をあげた。(←今回公演を見に来ていただけると分かります)
『いや、あの、待ち合わせ・・・?』
「来るまでの間だけでも・・・」
意味分かんねぇぇぇ!!!!!!!!
『あの、私、サイゼリヤに行くんでっ!!!(←危険。行き先教えてるし)』って言って、ダッシュで逃げた。
無論、サイゼリヤには寄らずに。
家に戻って、買い置きのカップラーメン啜りながら、「あれは一体なんだったのか・・・」と考えるも、さっぱり分からないのだった・・・。 |