参月 第壱週


  ココアがね とってもおいしい こくこくこく♪

                                                守餌象

  そうやって 悪態つくのも マナーなの?

                                                舞無舞無

ちょい混みの電車内での話。
私の近くに、女の子2人組がいた。
学生さんかな。20代前半くらい。
賑やかに弾んだ声で楽しそうにお喋りをしてた。
そして、その横に、リュックを背負った大柄なお爺ちゃんがいた。
世代的に物凄く珍しく、横にじゃなくて、縦に大柄。 175cm以上はあるんじゃないかなと推察。 ぬぼ〜っ、とした印象の方。
電車内でリュックは…ほんとはあんまり良くないんだけど、まあ、“ちょい混みだからこれくらいはいいかな”って感じだった。
私もリュック(斜めがけ)だしねぇ(笑)。

これは、肩掛け部に携帯が収納出来るようになっており、便利で大変気に入っている(只今2代目。初代が壊れたときに、色違いを買い直した)のだが、会社のおぢさんたちにはやけに評判が悪い。
『そんな格好は20代までだろう…』と皆が言う。でも、気にしない。
無論、電車に乗るときは、ポンポコポン(身体の前に回す)にしてますよ。
…閑話休題。

しばらくは何事もない、穏やかな車内。
娘たちは笑いさんざめき、お爺ちゃんは吊り革に掴まってぬぼ〜っとしており、私は…“零れてる!”の更新をしていた。
電車は何事もなく順調に進み、やがて娘たちが降りる駅に着いたらしい。
『すみませ〜ん。降りま〜す』
娘たちは宣言して、ドアに向かおうとした。
確かに、位置的にお爺ちゃんがちょっと避けてあげないと2人は進めない感じだった。
が。お爺ちゃん、動かなかった。一歩も。
『…降りたいんですけど?』
娘の声に険が混じり、何とな〜く、嫌な空気になってくる。
ドアから人が乗り込み始め、段々、降車が難しい感じになって来る。
娘たちの言葉が荒れ出す。カバン、ぐいぐい引っ張りながら、
『ちょっと!』
『降りるって言ってんだろ!』
それでも、お爺ちゃん、動かない。
ぬぼ〜っとしたまま、佇んでる。
意地悪しているようには見えなかったので、「もしかしたら…聞こえないのかも…?」と私が思ったとき。
『どけよ!』の声と共に、ドーン! 
娘たち、お爺ちゃんを強引に突き飛ばして(それでも大して動かなかったんだけど。足の強いお爺ちゃんだ〜)一目散に降り口へ。
そして、ドアが閉まる寸前にくるりと振り返って、ヒトコト。
『マナーを守れよな! ジジイ!』
ドアが閉まり、次の駅に向かうべく走る車内で、居合わせた乗客たちは、一様に思ったんじゃないだろうか。
『その言葉使いは、マナー違反には含まれないのか?!』と。
お爺ちゃんは、相変わらずぬぼ〜っとしていたけれどね。
『怒っている人間の言うことは8割、恋してる人間の言っていることは10割間違っている』
という、松尾スズキの言葉を思い出しました…。

  納豆を 2パック踏んづけ 足臭し

                                                紀之一多

月影くんによる解説
何故だろうね…。人って、時々無性に納豆を踏んづけたくなる生き物だよね…。いつ踏んづけたんだって?うん…その、あれだよね。明け方に寝ぼけていた時にね…うん。え?事故?事故じゃないよ。なんていうか、宇宙におけり哲学的思考のなんやらかんやらの関係で。カマキリ星人カマキラーくらいのレベルになるとわかるんだけどね、うん。…そういうことにしてくれやしませんか。(そう云って、足を洗いに洗面所に向かう月影星之介氏)




A Theatrical Campany yakoudou