七月 第参週


  まめしばと いっしょにすみたい くらしたい!

                                                守餌象

  油断した 僕のアゴには ヒゲがある

                                                舞無舞無

「ヤッダァ、朝のお手入れ出来なくてぇ(だみ声)」ッつーハナシではなくてですな、私のアゴにはホクロがあるんですがな、そこに何故か毛が生えるんですな。
俗に言う「ほくろ毛」って奴ですな。にょろっとしてない、割と丈夫な剛毛タイプの奴なんで、割と目立ちます。触るとチクチクするしね、産毛よりはヒゲに近いと思う。
あっれぇ、おかしいなぁ、こないだ抜いたばかりなのに。どんだけ活性してんだ、この毛。
でもね、ほくろ毛が生えるほくろはいいほくろ(良性のほくろ)で、悪性のほくろ(癌になる奴とか)には、毛は生えないんだから、つまりは健康ってことなのよ・・・ってものの本には書いてあるわけですが、「でもっ!」「だから?!」「だけど!!!」な気分。
そんな場所で健康を主張しなくてもいいだろうよ。
私がこれまでに何度、こいつのお陰で気まずい思いをしてきたと思ってんダー! ってそれは全て自分の責任ダー!! って・・・分かってる、分かってるんですけどね。
えー、ひとまず早いとこ抜きたいんですけどね、この毛を。
生憎、韓国行きの際に荷物をあっちゃこっちゃに詰め替えた影響で、毛抜きの入った化粧ポーチが行方不明でしてね・・・。
ハサミじゃまどろっこしいし、ツメじゃイマイチ力が足りないし、カミソリ・・・カミソリをアゴ元に当てている人を見つけたら、とりあえず、「早まるなぁぁぁっ!」って飛び掛るよね、人は。
で、すったもんだした挙句、「いや、実はアゴのほくろ毛を・・・」っちゅー説明をせざるを得ないワケですよね、こっちとしても。
そのときの、「ハァ?」みたいな「・・・いっそ、死んどく? 真面目に」みたいな、私に浴びせられる周囲の冷たい視線のことを考えると、とてもとてもカミソリでなんて処理できませんよ。
いやいやいや。折角、芝居なんてもんをやってるんだから、いっそ「放っておいて下さい!
私には、もう、夢も希望もないんです!! このまま・・・死なせて、お願いぃぃぃッ!!」とかなんとか、起こしてもいないヒステリーを起こした振りをして、周囲の人を楽しませる・・・というのはどうだろう。
で、周囲が「落ち着きなさい!何がそんなに辛いんだ?話してみなさい・・・!」とか言うのに合わせて、“さぁて、何が辛いことにしよっかな・・・”と頭ん中で考えを巡らして、アドリブの練習をしてみる・・・とか。
・・・いや、何のハナシだ。
ほくろ毛のハナシが、いつのまにか“自殺狂言”のハナシに。だって、カミソリとかゆーから!
もしかして、“福毛”と称されるものではないかと思い、ちょっとだけ調べてみたんだけど、どうも違うみたいですね。“福毛”はね、金色だったり白かったり透明だったりする毛のことみたい。
だから、私の毛は安心して引っこ抜くことができます。・・・毛抜きさえ発見されれば。
っつーか福毛だったとしても、場所が悪すぎます。顔にだなんて。福を呼ぶ毛だと知りながらも抜かないわけにはいかんでしょう、それ。
無防備に生やかしたままで置いたら、あっという間に私は周囲に「毛の人」と呼ばれるでしょうよ。
口の悪い子供なんかは、“アゴ毛”っつー渾名をつけて、毎朝、通学路で会うたびに私に石を投げつけて来ますよ。
夜光堂の稽古中に、すんげぇ会心の演技が出来て、「演出! 今の私の芝居はどうでしたか?!」ってキラキラした目で問いかけても、『・・・あ、ごめん。毛がそよぐのが気になって見てなかった・・・』と言われ、道でお婆ちゃんに拝まれたり、お爺ちゃんに泣かれたり、赤んぼにグイグイ引っ張られたり、
レストランに入ったら無言でトイレ脇の席に案内されたりするわけですよ。
それでも、私のロト6は当たらないわけですよ!!!!
・・・だから、何のハナシだって・・・!! ロト6やったことないでしょ! メッ!!(←自己叱咤)
まぁ・・・これで一つこうしてネタになったんだから良しとしよう。
しかし、他の人に気付かれる前に何とかしないとな・・・。昼休みにコンビニで毛抜き買ってくるか。
ほくろ毛如きに屈するのは非常に業腹だが・・・。

  雨の日に 靴の穴開き 発見す

                                                紀之一多

ああっ!右足があ!】
なんだろう…この右足先にじわじわと染み込んでくる雨水の感じは…。
こりゃパッと見わからないが、右足先に穴が開いておりますな!
だって左足と同じだけ雨水を浴びているのに、右足だけがじわじわと浸水されておりますもの。
右足先だけがちゃぷちゃぷと切ない冷たさに苛まれています、月影星之介です。
雨の日はアンニュイになりますね。
僕は雨ってだけで、「ああ、今日は仕事お休みしちゃおっかな」などと思ってしまいますよ…。そうすると主水さんが来て「コラー!依頼人からお金貰ってんだから、ちゃんと仕事しなきゃだめだろー」とか云われるわけです。
「疾風のヘイゾウまだ生きてんじゃん!」と。
そしたら「あーすんませんー」とか云って、雨の中とぼとぼ出かけて行くんです。
(ちくしょー。婿養子のくせにー)とか思いつつ、面と向っては云えませんが。
そんな日にさらに靴の穴開きまで発見してしまうことになろうとは…!
仕方ないから、帰りに梅キュウ巻でも買いますぜ。さらにはお新香巻を買ったにも関わらず、キュウリのお新香も別に買ってやりまさぁ。
そしてつぶ貝のお寿司はうまいですな…!
回転寿司屋に行ったら、「つぶ貝!つぶ貝!つぶ貝!」って頼んでやりますよ。
そして寿司職人に(こいつつぶ貝好きだなー)と思われてやりたいのです。
そして最終的に、店中の人々が皆、つぶ貝を求め血みどろの争いを繰り広げる…そんな寿司屋を作っていきたいと思います!
…で、なんの話でした?

店長に立候補月影星之介




A Theatrical Campany yakoudou