八月 第四週


  着々と 大工道具が 増えるウチ…

                                                守餌象

  馬鹿という お前が馬鹿だ! すみません…

                                                舞無舞無

夏休みが明けて会社に行ってみたら、風邪っぴきが2人もいた。
この季節に風邪を引くのは辛いよねぇ…。
暑いんだか寒いんだか…って感じで混乱するし。2人共に口を揃えて、『…冷房が憎い…』そうです。
で、そんな風邪っぴきのうちの1人が、私が良く仕事を請け負う(でも、最近は減ったな…。ここんとこバタバタしてたから、遠慮してんのかも)上司で、割と仲良し。
すごい鼻声だったんで、『夏風邪、大変ですなぁ』とか何とか声をかけたら、「夏風邪ってさぁ…誰がひくのか知ってる…?」と言う。
誰が、って…。貴方様が今…いや、そうじゃないな、これは昔から言われている、あの慣用句(?)のことを言ってるんだな、と思い…ならば言うさ、言ってやるさ、さぁ、聞くがイイ! とばかりに・・・ニッコリと笑い、彼の目をヒタと見つめて、
『・・・ばぁ〜か!』
と言ってやりました。
「なっ、ひどっ!」
自分で言い出したくせに、たじろぐ上司。
確かにヒドい。
上司に“馬鹿”はない。
でも、彼自身に言ったわけではなく、慣用句の言い方のアレンジであり…なんて言い訳はここ(会社の事務所)で、彼にしか通じないということは、分かっておりますので、皆さん(誰?)にはご安心頂いて結構なのですが、「不愉快!」だったらごめんなさいまし。
たまに、調子に乗るんだ、私。
しかし、『コイツが私を馬鹿だと言うんだ〜!』と周囲に触れ回りつつ、怒らず流す上司はイイ人だ(笑)。
でもね、でもね、このときのイメージは“ひらがな”なの。コレ大事。
『馬鹿』『バカ』辺りは、響きがね! キツイから。洒落にならないから! あくまでも優しく、ひらがなで、『ばか』。
しかも、更に柔らかくすべく、「ぁぁぁ」を加えるという、この心遣い!!
いや、あくまでも私の気持ち的に・・・感覚的に・・・ってことですけれどもね、ええ。日ごろ稽古場でイントネーションとアクセントとニュアンスを演出に直されてるこの私が、自由自在にカタカナ、ひらがな、
漢字のニュアンスを見事に表現し分けている・・・なんつー、“ガラスの仮面”的な展開は望んでも叶わない話なんですけど。
「馬鹿」とか「バカ」に聞こえたら、さすがに上司も怒るんじゃないかなぁ・・・ってことは、上手にひらがなで言えてたんじゃないかなぁ・・・と思う。
因みに・・・私の理想の男子像は「ばか」ってひらがなで優しく、上手に、いい感じで言える人です!!
カタカナ、漢字は不可。言われたら多分逆上。
そんな私は、“「ばか」は 私の I love you”という恥ずかしいタイトルの詩を書いたことがあるのをコレを書きながら思い出しました。(←馬鹿)

  町内会 盆踊らない 者ばかり

                                                紀之一多

【盆踊れ】
若者よ!盆踊れ!
出店にばっかし夢中にならずに、盆踊れ!
コラおまえ、さっきっからフランクフルトばっかし喰ってんじゃネェ!ここはサービスエリアじゃねぇんだぞ!
お向かいのタカシくんを見ろよ。あんなに生き生きと盆踊りを踊ってるじゃないか。そういやタカシくんとこ、アレだって?就職決ったんだって?凄いじゃないか、さすが秀才は違うなぁ…。
なに?
タカシくんとこはバパが会社の重役だから?そのコネで内定が決っただとぅ?
あーあーあーわるぅござんしたね!父さんこんな歳なのに、未だに係長でこめんなさいね!しかも歳が歳だから、お情けで係長にしてもらったようなもんだからね!言うなれば、お情け係長だからね!会社の若い子に裏で「お情けさん」て呼ばれてるからね!
…なんだよ、やめろよ、泣くなよ。息子に泣かれるくらい悲しいことないぞ、父さんは!
そんなに泣かれたら…父さん本気で凹んじゃうだろ…。夜寝られなくなっちゃうだろ…明日も早いのに…会議のお茶当番で…。
さぁ息子よ。もう泣きやめ。コーラ買ってやるからな。む…高いな。まぁいい。ん?なんだオマエまた新たなフランクを喰ってるじゃないか!どんだけ好きなんだ、その棒に刺さったソーセージが!どれ、どんだけうまいんだ、父さんに食べさせてみなさい。え?ああはいはい、二センチだけな、分かってるよ。
むしゃり。
ん…?
うむ。
こりゃなかなかうまいな!焼きすぎといわんばかりにパリパリの表面と、一切肉汁のしたたらない中味が絶妙にマッチしとる!ん?息子よ何故泣く?
二・五センチ喰ったぁ?
細かいこと云うなよ。ほら、新しいやつ買ってやるから…な?泣くなってば…。

(「そうして息子は宇宙飛行士になった…月影星之介著」より抜粋)




A Theatrical Campany yakoudou