九月 第壱週


  早寝して 仕事がさっぱり すすまない

                                                守餌象

  君は天使 僕の天使 今日もありがとう

                                                舞無舞無

まぁ、突然フランス人みたいなこと言い出してどうしちゃったんでしょうね、このコは!
って感じですけど、まぁ、聞いて下さい。
人は誰しも一日一回、天使に会ってる・・・っちゅー話をご存じか。
ちょっとしたスピリチュアル・・・っつーか癒しっつーか、まぁ、その辺のオハナシなんですが。
天使、と言ってもそれは森○エンゼル金と銀、みたいな、頭に輪っかついてて、羽根が生えてて両性具有で・・・というアレのことじゃなくて、(アレに会うのは・・・ちょっとしたクスリとかナニしないと、一般人には無理でしょう・・・)簡単に言ってしまえば「イイコト」。
一日の中には必ず何かしら「イイコト」がある。それは、姿形を変えた“天使”なんですよ、
それをキチンと拾い上げて意識して生活していけば、アナタの毎日は今以上に幸せで楽しいものになるよ・・・という意味。
うん、まぁ、そうだな・・・とは思うのね。気分が上向きの時は、滅茶苦茶素直にコレを受け入れることができるのね。
お昼を買いに行ったコンビニの店員さんがすっげー感じよくて嬉しかった・・・とか、通勤途中の道で会った犬が可愛くて朝の憂鬱な気分が和んじゃった・・・とか、目覚ましが鳴る5分前に目が覚めて妙に幸せな気分になっちゃった・・・とか、確かに日常に「イイコト」って結構ある。
一日一個必ず・・・あるってのは過言じゃないと思う。
先日、体調を崩して寝込んでる私の元に来た天使は、会社のセンパイから来た、「大丈夫か〜? みんな心配してるぞ〜」ってメールだし、稽古中に思ったように芝居が出来なくて若干ブルーに陥った私の元に来た天使は、通りすがりに頭を撫でてくれた手だし・・・何かしらあるんですよ。
尤も、これは精神状態が上向きか通常なテンションの時にそう思うのであって、たまに襲い来る、どーしよーもない下降気分の時は、まったくもって意識が出来ない、むしろ「ワルイコト」ばかりクローズアップされて仕方ない私なワケですが。
そんな私が、今日出会った天使は・・・駅前にいました。
自宅最寄り駅に降り立って、呆然。
すげぇ、雨。
そさくさと歩けば、まぁ10分かそこらの距離だし、もう帰るだけなんだから別に濡れちまってもいいんだけど・・・いつもだったら「・・・いいや、別に!」って感じで雨の中に飛び込んでいく無謀な私(こういう時コンビニで傘を買う、という選択をあまりしない私)なんだけど・・・何故か、今日は、ぼやーっと駅構内で立ち尽くして、そぼ降る雨を眺めておりました。
「ほら、さっさと行けって! 別に躊躇うことじゃないだろ?! な〜にをボケッとしてるんだyo!」
と、頭の片隅ではGOサインが点滅してるんだけど、どーいうワケかその声に「うん・・・。そうだね・・・」
と答えながらも、踏み出せず、雨を眺めながらその場をウロウロする私。
困ったナァ・・・とか、どうしようかなァ・・・とかすら・・・考えてなかったように思う。
ほんとに、ただただ、ボーッとしてた。
そしたら・・・私とは反対に駅に向かって歩いてきたオジサンが・・・。知らないオジサンが・・・。
「これ、あげます」って。
ビニール傘を私に差し出した。
「え? ・・・いいんですか?」
これから電車に乗ってお家に帰るであろうオジサン、着いた頃には雨は止んでいる・・・かもしれないけど、そうじゃない可能性も十二分にあるわけで。なのに、オジサンは、
「いーの、いーの。気をつけて帰ってね!」
と私の手に傘を押しつけて、颯爽と駅構内に消えて行きました・・・。
「せめてお名前を〜」とか言うべきだったかな・・・と思いながら、有り難くその傘を差して、無事に乾いて帰宅することが出来ました。
ニヤけてしまった。嬉しくて嬉しくて、傘の中、夜道を歩きながら、ニヤニヤしてしまった。(←怪しい)
で、ふいに“天使”の話を思い出して、「ああ、今日の私の天使はあのオジサンだわ・・・」と思ったのでした。
綾小路きみまろに似た天使。どうもありがとう。アナタのように私はなりたい。(いや、きみまろ似ではなく)

  喰う頃にゃ 賞味過ぎてる このサラダ…

                                                紀之一多

【仕方ないのですよ】
朝にコンビニに寄ります。
昼飯に食べるサラダを買うためです。しかし、朝にサラダを買うと、昼休みに食べる頃には賞味期限が思いっきり過ぎてしまうのです。
朝にはまだどうにかシャキッと感を保っていた野菜たちも、水分が染み出てペターっとなっています。
…切ないです。
中にはげそっと老いて茶色くなってるヤツもいます。
…切ないです。
月影星之介です。(え?今、名乗るの??)
この切なさを解消すべく、僕が店員になったあかつきには、お客の食べる時間すらも考慮に入れてサラダを売りたいと思います。
「お客様、失礼ですがこのサラダは今すぐ!間髪入れず!朝飯としておたべになりますか!?いや、別にお客様のプライベートを垣間見ようと思っているわけではないのですよ。
このサラダ、実は賞味期限が午前十一時となっております。つまり、昼飯に食べようと思ったら、既に美味しくいただける期間は過ぎている…そんな状態になりますがよろしいのですか!?
いや!しかしながらこのわたくし、店員としてお客様に最も美味しい状態のサラダを召し上がっていただきたい!へにゃったレタスや、ハリを失ったキャベツを食べていただきたくないのです!我が店のサラダはこんなもんじゃない…こんなもんじゃないんです!!そしてわたくしオススメのドレッシングはこれなのです!(関係ないだろ!)
さあ、それでも買うというならば、今すぐそれをここで喰らっていただきましょうか!さあ、この箸を割って、ドレッシングをぶっかけて、グアーっとかき混ぜて、わたくしの目の前で賞味期限前のサラダをお食べなさいませ!!サァ、美味しい状態のサラダを、気がすむまでガフガフと喰らいやがりませー!」
声がけ確認!
そして微笑みながら、お客がレジ前でサラダを食べるのを見つめていきたいと思います。(クビだよ…そんな店員)

月影星之介




A Theatrical Campany yakoudou