壱月 第四週


   時々は ネットに出没 してますよ


                                                守餌象

  ガキンチョよ 怯えてネェで 謝れよ


                                                紀之一多
【帰り道】
月影 「後ろから来たガキンチョチャリに、スニーカーをゾリッとやられましたので、何を言うでもなくただじっと見つめてあげました…よ」
上田 「おお!もしやそれは…!」
月影 「ええ。よち師の無言術です。通信で5級の資格をとったのです」
月影 「じぃーっと見ていたら、ガキンチョは目を逸らす事もままならなくなり、自転車に乗った状態でコチンと固まってしまいました。その時僕はマスク姿で、目しか見えなかった事により、5級以上の力を出せたのだと思います…!」
上田 「結局ガキンチョさんからは一切謝罪の言葉はなかったわけですか?」
月影 「ええ…。大変残念でありますが、目を大きく見開いたまま何処かへ行ってしまいました」
上田 「夜中マスク人間の仕返しに怯えないといいですね」
月影 「そうですね…左のこめかみを夜な夜なゾリゾリ擦られる夢なんか見ないといいですね」
上田 「とかいって、実は飼ってる猫が毎晩こめかみ舐めてるだけだったりとかな!」
月影 「ええ…。ま、彼のこめかみにネコちゃんが思わずゾリゾリ舐めたくなる的なものを塗っているのは僕なのだがね!!」
上田 「やめーいっ!」

よち師の眼力は凄い…!月影さんと上田くん

  苦いけど あなたを信じて 飲み込みます!

                                                舞無舞無
相変わらずゴリラのような咳が止まらない(これで腹筋が締まったらいいのに)。
ついにかりん蜂蜜直なめに乗り出してみたところ(今まではお湯割り)、あっという間に底をついた。吉田さん、アレめっちゃ美味いです。(←私信)
他に何か家で出来ること…とネット検索をかけたところ、1件、簡単に出来そうなものを発見。

『枕元に二つ割りにした玉ねぎを置いて寝ると咳が鎮まります』

…玉ねぎ…。
玉ねぎ…か。

ふむ。
ネットによる検索結果はゼロ件、と。
ごめん、玉ねぎと枕を共にするくらいなら、ゴリラでいることを選びます、私。
キライなんです、玉ねぎ〜!!
それにしたって、日常生活…ひいては夜光堂の稽古に支障をきたすので…そろそろ病院へ…行く前にひとまず市販薬を試してみようと、前回服用してみたら案外良かった“セキピタン”を導入。
携帯用咳止めシロップ…なのだが。
うーん、確かに止まる…んだけど、効く時間がちょっと短いし…対処的過ぎる(後手に回りすぎ)かしら…。
もっと、こう、先手を打つような…根源的なものを…と文句をいうくらいならいい加減に病院に行けばいいのだが、またもや見送り…再び薬局へ。ただし、今度はキチンと薬剤師さんと相談して薬を買うことにした。
ちょうど会社最寄り駅に『相談に乗る薬局』というステッカーを貼った薬局があったので、「じゃあ、乗って頂こうかい、相談に!」と、マスク姿で乗り込む。
『いらっしゃいませ』と私を迎えたのは、優しい笑顔のおじさんだった。(っつーか、店内には彼しかおらんかった…。ちっちゃい店ですんで)
「あのぅ…咳止めが欲しいんですが…」
恐る恐る告げると、彼の笑顔が曇った。
『かなり…辛そうですね。大丈夫ですか…?』
ヨロヨロっと…。
心がよろめく音がした。気、遣、わ、れ、た!
労、ら、れ、た!
心の中で、黒縁メガネの小デブが自らの右腕で声のボリューム抑えながら叫んでた。
『…惚れてまうやろ〜! ここでその一言…惚れてまうやろ〜!!』
舞無オトすに、物品いらず、「大丈夫」「辛そうだね」の言葉があればそれでいい!
因みにオジサマは特にダンディーでもチョイ悪でもなく、『30年前はフォークソングでラブ&ピース』といった感じの、ひたすら乾いた感じの方だった。
…ええ、 普段なら意識もしませんね!
「実は喘息の既往症があり…それとは違う感じの咳なんですが、咳止めシロップを飲んでも効かなくて…」
と、ちょっと可哀想な感じで症状について説明したところ…。
『喘息があった人は…ダメなんです、市販の咳止めを使っちゃ!』
熱く窘められた。
「な、何故でしょう…?」
『元々弱い器官が更に狭まってしまうんですよ』
何と!
し、知らなかった!!
「…じゃ、じゃ…そんな私が咳を鎮めたいと思ったら…どうしたら…?」
オジサマは、カウンターの横からすっと青い謎の袋を取り出した。
『漢方です。漢方なら大丈夫!』
…その青袋、何か怪しいからヤです…とは言えなかった。
言えなかったから…。
「じゃ、それを頂きます」って、言いなりになって買って帰ってきた。
オジサマは帰りに飴を2個くれた。
家に帰ってから食後に飲んだ薬は…。
口が曲がるほど苦かった…。
けど、オジサマが私の為に親身になって処方してくれた薬だもの。
頑張って、最後まで飲みます、私!
あんまり咳が収まった気がしないんだけど、それでも!!




A Theatrical Campany yakoudou