雷鳴に 怯えて寝る母 寝る子ども
紀之一多


<解説文>

【月影星之介は雷が嫌いです】

月影:(一多の川柳を見て)・・・コレは俺のことだ・・・。

紀之:そうだよ。

月影:貴様・・・何故、月影家の秘密を知っているんだああああああああ!!(怒)

上田:説明しよう!月影星之介は大の雷キライで、運悪く野外で雷に遭遇しようものなら、
    途端に腰の力が抜けて中腰になってしまうお茶目な体質の持ち主なのだ!!

月影:俺の不幸をお茶目とかいったか、そこのシマシマ野郎。(怒)

上田:(確かに今日の俺はシマシマのシャツを着ているが・・・)さらに室内でも彼の雷キ
    ライはとどまることを知らず、外でゴロリと鳴るや否や全ての電化製品の電源をO
    FFにし、毛布を引きずって窓のない洗面所へ行きそのままそこで眠ってしまう、
    という、まさに他人にとってはそこまでせんでもいいだろう!的行動をとるのだ!

月影:・・・それは僕のハハのせいだ。僕のハハも雷の怖い人でな、雷が鳴ると電気を消
    し、カーテンを閉め、さらには姿見に風呂敷をかけて早々に眠ってしまうのだ。僕
    は幼い頃からハハのこの行動を見ておんなじことをしてきたからな・・・。「雷は
    怖いモノ」という構図と、怖いモノに遭遇したときにはとにかく「意識を失ってや
    りすごす」という対処法がインプットされているのだ・・・。

紀之:ううむ。おそるべし、ハハの呪い・・・。

上田:イヤ、呪ってないって!!まあ、それはきっといわゆる刷り込みってヤツだな。

月影:僕も最近まで気づかなかったのだが、たまたま電話したときにハハの住んでいるほ
    うで雷がひどかったらしくてな、「ウヒー。雷がひどいからお母さん寝るでありん
    す〜〜〜〜!!」(註・午後5時。僕としては無事チチが夕飯にありつけたかとて
    も心配だ・・・)というハハの悲鳴を聞いたときに確信したのだ。僕の雷キライは
    ハハのせいなのだ・・・。ああ・・・このなにからなにまで完璧な、まさに神の創
    りたもう芸術品である私の唯一の汚点だッ!!

上田:(その言動こそがギャグだということにこの男は気づいていない・・・)おまえほど
    欠点に満ちた人間はおらんよ、まったく。(ため息)

月影:うごおおおお〜。オーマイガー!(聞いてない)

紀之:おお!取り乱しながらも英語が出てくるなんて、なんてハイソなお方なんや!!
    さすがやな、星くんわ!!

上田:感心することじゃねえだろ!!

月影:しかし、ハハのやっていた「雷の時には鏡を隠す」っていうのは、果たして信憑性
    のある話なんだろうか?

上田:突然「ハタ」っとすんな!

月影:自慢じゃないが、僕の家庭以外でこんなことをしているのを見たこともないし、聞
    いたこともないのだ。

上田:まあ、外ならわからんこともないがな、ウチの中でも鏡を隠すっていうのは確かに
    聞いたことないなあ。

月影:・・・「伊藤家の食卓」に出してみるか・・・?

上田:裏技でもなんでもねえだろうが!!この怖がり親子め!

紀之:あ。雷。

月影:ぐう。(←寝た)

上田:オマエはのび太くんか〜〜!!


ゴロゴロゴロゴロ〜・紀之一多+月影星之介(熟睡中)・上田柾流