八月 第弐週


  夏ばてに ならない今年 何でだろう?
                                                守餌象

  夏だから お化け屋敷で バイトしたい
                                                紀之一多

【ヒィエ〜イ】
上田 : お化けの役で脅かすのか、オマエが?
月影 : その「お化け」という発言はなんだか曖昧で好きになれないね。「妖怪」なのか「幽霊」なのか、はたまた「モンスター」なのかハッキリしてくれないかな?
上田 : いや、それをハッキリさせるのは俺ではなく、オマエを雇う人だと思うが・・・?
月影 : 「私を雇いたいというのはアナタですかな?」
上田 : てえか何でそんな「伝説の脅かし師、現る!」みたいな登場なんだ!?
月影 : 「いえいえ、あっしはもうアシを洗ったンで御座いますよォ・・・。」
上田 : とか云いつつ凄い脅かしテクを持って居るんだ、このジジイは!!越後のちりめん問屋が実は天下の副将軍!?的なパターンなんだぜ、きっと!!
月影 : 「んだよ、ジジイは黙ってろよ!!いいか、ジジイ?あんたの時代は終わったんだよォ!!」
上田 : ああ、出たぁっ!!ジジイの正体を知らない若造が!!しかもちょっと人気が出てきて調子乗ってんだよな!!そこをジジイがガツンと脅かしテクを見せつけるワケだ!!
月影 : 「ぬんんんああぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」
上田 : 次々と腰を抜かし、ちょっとずつ漏らしてしまうお客たち・・・・!!それを見た若造がついに!!
月影 : 「スゲエ・・・!!あんたスゲエよ、ジイサン・・・・!!一体アンタ、何者なんだ!?」
上田 : そこでジイサンはフッと不敵に微笑んで、こう云うのさ。
月影 : 「江戸川コナン!!探偵さ!!」
上田 : たっ、高山みなみぃぃぃ!!!!じゃ、ないだろ!!
月影 : 「コホン。鈴木鬼平次、86歳・・・、人は私を伝説の脅かし師と呼ぶ・・・・!!のじゃ。ほほ〜い。」
上田 : 惜しい!!「呼ぶ・・・・!!」までだったら格好良かったのにィ!!!
月影 : 「ちなみに時給630円じゃ!!」
上田 : 安ゥ!!!老人だからって足下見られてるな、コリャア!!
月影 : 「朝、自分でお弁当をこさえてきますのじゃ」
上田 : んん〜、案外庶民的だな!!幻とうたわれながらも、決して偉ぶったりしない、そんな鈴木鬼平次の姿に、若者はガバッとその場に手をつくのであった・・・!
月影 : 「おやっさん、いやさ、鬼平次の師匠、俺に教えて下さい!!!あなたのその素晴らしい技・・・・型くずれしない卵焼きの焼き方を・・・・ッッ!!!!」
上田 : そこかよ!!!どうせなら「脅し」を教われ、若者!!
月影 : 「いや、つうか、俺、このバイト今日までだし・・・。明日から別んとこでバイトだし・・・」
上田 : ゆ、夢のないヤツめ。「俺、一生脅かしやってきます!」みたいな心意気はないのか!?
月影 : 「え?ああ・・・明日からはお金を返さない人たちを脅かしに・・・・」
上田 : ・・・・・・・・・・・・・それ本当にバイトなの?だいじょうぶなの?
月影 : ジジイは若者の手にそっとタコさんウインナーを握らせてやるのさ・・・。そして数年後、彼らは再会する。取り立て屋とそのターゲットとして・・・・。ジャジャ〜ン!
上田 : なんでそんな悲しい話にしちまうんだよぅ〜。
 (それはお化け屋敷復興のための借金でした・・・)紀之一多+月影星之介・上田柾流