通勤時 犬がフリーで 散歩中
紀之一多
【い、犬】
月影 : あの犬はいったいなんだったんだろうなあ?
上田 : 犬?犬って何だ?
月影 : おお!!なんたる無知か!!犬を知らん人間が居るぞォ〜!!
上田 : 犬は知っとるわい!!
月影 : 船が出るぞォ〜!!!
上田 : 関係ないわい!!
月影 : で、何の話だったっけ?
上田 : 誰でもいいから君を遥か遠く冥界のおく深くまで連れ去ってくれないかなあっ。
月影 : ぱからぱからぱからっ。「さあ、僕におつかまりなさい!!」。
上田 : ・・・・・・・・冥界の王子?
月影 : いいのかっ、上田くん!!このままじゃあ、僕は冥界の王子様に連れ去られてしまうんだぞっ!!
上田 : いいから、どこぞなりと行ってしまえ!!
月影 : しかし冥界はちょっとなァ。
上田 : じゃあどこがいいんだ、どこが?!
月影 : ・・・・・・・・・・・・・・・那須塩原?
上田 : 近ッ!!!それ小旅行じゃネエか!!
月影 : じ、じゃあ、えっと、しっ、白石蔵王!!
上田 : だから近ぇっつうの!!そして東北新幹線をご利用のお客様しかわからんようなことを云うんじゃない!!
月影 : 誰が東北人だ!!
上田 : オマエやあ〜。
月影 : で、犬だが。
上田 : とっ、唐突だなあっ。
月影 : 僕がチャリンコで激走していたら、向こうから首輪をつけた犬がトットットットと。
上田 : 飼い主は?
月影 : いないニェ。引き綱もなく、まさにフリースタイルで、トットットットと。
上田 : 脱走犬かな。
月影 : で、あさってのほう向いてピタっと止まって、で、僕のほう振り返って、そこにチャリンコが迫ってきてたもんだから、「ウヲッ!!」ってビックリしてて。犬って人間とリアクション似てて可愛いよなっ。
上田 : まさかそのまま「可愛いなあっ」とか云いながら轢いたじゃネエだろうな・・・?
月影 : 失礼な!僕はプチ紳士だぞ!
上田 : おお。あくまで自分だけに対してな!!
月影 : チャリンコをキキッと止めて、「犬よ。どうするんだ?」と問いかけたさ。そしたら犬はペコリとアタマを下げて元来た道をトットットットと・・・。いやあ、参ったね!今夜あたりちょっとした恩返しがあるかも知れないね!!
上田 : 庭に隠してたマリとか持ってくるのか?
月影 : そして夜中僕と犬はマリをトンテン追いかけて遊ぶのさ!!どうだ、羨ましいだろう!?
上田 : いいから早く寝ろ!!!
(月影さんは少し眠かったようです)紀之一多+月影星之介・上田柾流 |