其の弐拾五『頭のオカシナ物語三つ首作品集』の巻 |
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物語1 「小さな子どもは」 誰にも愛されなかった小さな子どもは、凍えるような灯にあたって死んだのです。 青い青い灯にあたって死んだのです。 斑の手袋。 バースデーケーキ。 溶けて崩れた橙の蝋燭。 死体は小鳥に啄まれ、小鳥の体を青くしました。 小さな子どもは知っていました。 こんな霜柱の立つ白い日に、自分が刺されて死ぬことを。 だから子どもは遺書を書き、 緑のペンでチラシの裏いっぱいに、血の滴るような恨み言を、たくさん、たくさん。 書いたのです。 「例えば僕はもうすぐ死にますが、 誰も僕の死体を引き取りはしないでしょう。 頭は車に轢かれて石榴のように弾け、 胴は貧しい小鳥たちの餌になるでしょう。 手足は細い枝のようですから、きっと誰にももらい手はなく、 浮浪者は僕の腹から肝臓を取り出して、金持ちに売るでしょう。 瞳は猫に食われるでしょう。 舌は犬にちぎられるでしょう。 耳は小鳥に啄まれるでしょう。 でもいいんです。 僕にはもう、見るものも言うことも聞くことも、なんにも必要ないのだから。 このわずかに甘い味のする爪さえも、もうなんの意味も持たないのです。 ああ、なんて綺麗な空なんでしょう。 僕は誰にも愛されない、 愚かな惨めな子どもだけれど、 こんな朝には見知らぬ誰かの、 幸せを願わずにはいられません。」 ハレルヤ、ハレルヤ、少年は、 誰にも愛されない子どもだったけれど、 バースデーケーキには6本の蝋燭を立てて、 世界中の人のためにお祝いをしたのです。 それは小さな火だったけれど、 少年をみるみるうちに溶かしていったのです。 世界中の人にハレルヤと、 血の涙を流しながら。 物語2 「玩具愛好者」 爺さん河原でネジ回す。ギコギコギコギコネジ回す。 緑の瓶には少女の眼球。物憂げに空見上げるさ。 腹からはみ出た歯車を、真っ赤に塗って、よく磨き、 人を刺すのに使おうか。 少年人形血を流し、涙すらも赤いのに、何故かにんまり微笑んで、 オロカオロカと囃しだす。 この世を捨てた青年は、河原を歩き、石を蹴る。 「もう僕はもう、ほんとにほんとにいけなくて、 どうにもならんもんだから、書を捨て、人捨て、街捨てて、 こうして河原をひた歩き、裸足に石がツプツプと、 食い込む様を拝むのです」 駄目人間はお口から、あらんばかりの反吐吐いて、 涙流して許しを乞うが、口の裂けた少女がそれを、 見てはケタケタ笑うのだ。 嗚呼、でも僕はと、彼は謂い、それでも今が幸せですと、 赤い涙を流しつつ、少女の首を、ねじ切った。 オロカナオロカナオロカナ男、 自分の首もねじ切った。 真っ赤な虹が、美しく、灰色小石を染め照った。 それを見ていた爺さんは、男の内蔵かき集め、 市場で安く売り去った。 物語3 「あの世はあの世のことなれど」 石を積め、石を積め。石を積め、石を積め。 あまりに自分が邪魔だから、僕は殺しただけなのです。 目にする腕も、この足も、全部が全部邪魔だから、切り捨て捨てたまでなのです。 あんまり右目が痙攣するので、なんだかモノも見づらくて、 頭もぼんやりするものですから、 せめて十五の月を見て、夜の風吸い歩くのです。 おんなじ部屋の女の子は、夢こそ現と口ずさみ、 眠ったっきり起きません。 裸足に石がプツプツ刺さり、裏のお肉をえぐるけど、 叱られるのも気にせずに、ただただ夜を仰ぐのです。 そんな僕が死んだのですから、きっと今夜は良い月でしょう。 おぼろ月夜であるはずが、ありませんでしょ、ねえ、あなた。 石を積みつつ、少女は笑い、ザマアミロだとあざけった。 三つ首作品集解説 我ながらなんて頭のオカシイ作品なのだろうと思うけれど、コレは実際に僕が最も頭がオカシカった時に書いたモノなのです。だから今の僕には到底解説など出来はしないのです、実のトコロ。僕に解らないくらいですから、きっと皆様にも解らないでしょう。ただふとココロが黒〜くなった時に、読んで影でニヤリと笑ってくれれば、それで僕はしあわせなのデス。 (いや〜、もうなんでもアリだな、このコーナーは!(笑)実のところ僕は今頭の中がすっかり飽和状態に陥っており、モノが考えられなくなってしまっているので、こんな怪奇同人誌(笑)みたいなモンが出来上がってしまいました。我ながら気持ち悪い。(爆!)それというのも『龍騎』49話が僕の脳味噌を再起不能にしてしまったワケで。これがHPに載る頃にはもう最終回も終わってるんですね。49話ですら瞼が腫れるくらい泣いたのに、最終回見たらどうなってるんだろう俺。もう瞼無くなってるかも知れないね!目玉もドロドロ溶けて流れ出てるかも知れないね!というワケで、来週は別に誰が見たいワケでもないでしょうが『龍騎』特集デス。(笑)) |