其の弐拾八『攻撃系七海と癒やし系ゲームの関係』の巻 |
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最近、戯れに百円均一で売っているパソコンゲームを購入してみたのだが、コレがなかなか面白い。まあ、中には「うぬう・・・」と渋く唸るほど面白くないものもあるが、それは百円という値段を考慮した場合、優しく微笑んで許すしかないのである。当たればラッキー、当たらなければカラス避けとして窓の外に吊す、ぐらいの気持ちで皆さんもひとつ購入してみてはいかがだろうか。 実のところ、ワタクシ、ゲームは大好きなのだが、ゲームをやっている最中の七海に関しては仲間内で評判が悪いので、人前での家庭用ゲーム機によるお遊びは出来る限り自粛している。自分では自覚がないのだが、そりゃあもう「ガラが悪い・口が悪い・手癖が悪い」の三拍子揃っているらしく、人は七海がゲームをしている姿を見ると、「ああ、人間も所詮はケモノなんだな・・・」と涙ながらにしんみり思うらしい。 ここで二、三、目撃談を紹介しよう。 証言1・深夜、七海が『ファ○アーエンブレム(一時期人気を博した中世型シュミレーションゲーム)』の完全攻略(仲間を一人も死なせることなく、ステージをクリアする)に失敗し、「テメー、根性ねえぞ根性!!簡単に死んでんじゃネエよ!ったくほとほと役に立たねえ野郎だなあ、テメエはよぉ〜!!」と、指揮官である自分の采配ミスを棚に上げて、死んだ仲間を罵っていた。 「ええ、そりゃあもう、悪徳闇金業者の取り立てのような形相でした。」(目撃者A談) 証言2・深夜、七海が『スーパーマ○オブラザーズ』の海のステージ(浮力が働いてうまく動くことが出来ず、プレイヤーの誰もが一度はイライラしたことがあるであろうステージ。自由のきかないマ○オに対して、敵である魚やイカは自在に動き回れるので非常に危険!金貨などに目もくれず、敵の合間を縫って全力で逃げることをオススメする。)に登場するイカに向かって、「テメエ、コノヤロ!イカ!イカ!焼いて食うぞコラ!!いつかホカホカのイカ飯にしてやるから覚えてやがれ!」と、威嚇していた(←イカだけに)。 「イカ相手に大人げないな、と思いました。」(目撃者S談) 証言3・深夜、七海が『ファイナル・ファ○タジー』に出てくる敵を「フン!無駄無駄無駄ぁ!貴様の攻撃など今の俺たちには通用せんわい!ぎゃはははは!雑魚め!生きていることを後悔するような目に遭わせてくれるわ〜!死ね死ね死ね死ね死ね〜〜〜!!」と、メタ殺しにしていた。どうやら以前(レベルが低かった頃)、生きていることを後悔させられた相手に報復をしていたらしい。 「・・・・怖かったです。」(目撃者Y談) 他にも、「パソコンゲームで惨敗し、腹が立ったのでキーボードを平手で力任せに叩いたら、いくつかキーがフッ飛んだ!」だの、「ガンゲームで負け、悔しさにガンをゲーム機に打ちつけ、そのままガン・ゲーム機両方をおしゃかにした!」などのクラッシャーな伝説を持つ。壊したコントローラーは数知れず。「アンタ、男だったら絶対暴力亭主になってるよね・・・」という有り難い言葉をいただいた事もある。 しかし、こんなアタイでも、唯一ココロ安らかにプレイ出来るゲームがある。 プレイステーション用ゲームソフト『MOON』である。 「モンスターが死なないRPG」というふれこみのこのゲームは、確かに戦いもないし、迫力映像もない。しかし、パステル画のような淡く切ないタッチの画面の中で繰り広げられる不可思議な物語は、気持ちよくココロの中に染み込んでくるのだった。 物語は、ボク(プレイヤー)が勇者によって殺されたモンスターたちの幽霊を探して助け出し、月にあると言われている扉を開けることによって終結する。一見簡単そうに見えるが、この『MOON』というゲーム、とても気の長い謎解きの連続なのだ。 例えば、一つのヒントを貰う為にとある家を訪れるとしよう。 『MOON』の世界には七つの曜日があって、そのヒントを貰う為には、ある曜日の決まった時間にその家を5回訪れなければ住人に会えなかったりするのだ。その他にも、満月の晩にしか現れないモンスターがいたり、風車が回っている間に忍び込まなければ追い出されてしまう家があったり、と、ゆるやかながらもいくつものイベントが複雑に絡み合っているのだ。 プレイヤーはアイドル付の敏腕マネージャーの如くメモ帳を手にして、「ええと、明日は午前中にお城に行って大臣と会って、夜になったら花火屋のおじちゃんとこに行って・・・昼間の空いてる時間にはモンスターの幽霊を探しに行くか・・・」などと頭を悩ませる。時には砂漠の釣り場で一日中釣り糸を垂れることもある。不思議な島に一週間も二週間もかけて旅行することもある。また時には不思議なキノコの森で、何日もウロウロ彷徨うこともあるのだ。 『MOON』に出てくるのはモンスターの幽霊だけではない。その世界に住む人々も、大変味のある人たちが揃っている。想いを伝えられない店主、太ってカウンターから出ることの出来ないマダム、飲んだくれの花火職人、気むずかしい老人、王宮の公園を根城にしている浮浪者、自由になりたい王様、庭の刈り込みを大事にしている大臣、目の見えないお婆ちゃん・・・・そこに住む人々はどこか憂いのある暮らしをしている。ボクはその世界に住む様々な人たちと関わり、話をし、悩みを聞き、それを解決する手助けをする。決して表立ってではなく、あくまでもさりげなく。そうしていつの間にか国の人たちが、優しい笑顔を取り戻すことが幸せに感じてくる。優しく話しかけてくれることが、嬉しくなってくるのだ。 優しく、せつなく、穏やかに、時が過ぎていくゲーム。 それが『MOON』なのである。 (しかしこの『MOON』、僕のような面倒くさがりにはとても攻略本ナシにはやっていけない。もう自力でやってたら何年かかるか解らないくらい複雑なのだ。気が短い方には、是非とも攻略本の購入をオススメしたい。攻略本を読んでもじゅうぶん楽しめる内容になっているのでご安心を!気が長い人は是非とも攻略本ナシでトライしてみてください。少なくともEDまで2ヶ月はかかります。) |