其の参拾四『七海が目撃した芸能人な方々』の巻 |
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研ナオコの目の前を駆け抜けたことがある。 急いでいたのだからしょうがない。 場所は池袋。サンシャイン劇場のロビーである。 僕には時間がなかった。しかし席は二階だった。御存知の方は納得いただけると思うが、サンシャイン劇場二階への道のりは果てしなく遠い。どこまでも続く階段をひたすら登らなければならない。時は開演時間三分過ぎ辺り。押しているので芝居は始まってはいないが、いつ始まるか解らないドキドキを秘めた時間だ。 仕事の都合でギリギリに劇場に着いた僕は、それこそ怒濤の勢いで一階ロビーを駆け抜けた。我が愛する劇団☆新感線の芝居だ。OPを見逃すわけにはいかない。 二階へと続く階段の手前に研ナオコがいた。マネージャーなのか、それともどこかのスタッフの人なのか、男の人を前になにやら喋っている。僕には時間がなかった。なんせ新感線の芝居は長丁場だ。二階についたらトイレにも行っておかねばなるまい。走れ、走るんだ、俺! 僕はためらうことなく研ナオコとその男の人の間を走り抜けた。それでも気を使い、黒子並みの中腰で走り抜けたのだが、その時の研ナオコさんのビックリしたような顔を僕は生涯忘れないだろう。 御免よ、ナオコ。僕は粟根さん(劇団☆新感線の中でも七海の最も愛する役者さん。殺し屋のような目がポインツ。)のほうが大事だったんだ・・・・! 御免よ、と言えば、やはり芝居の始まる時間に間に合わず、サイン会中だった椎名まことの目の前を集団でバタバタ走り抜け、もの凄い勢い鋭い瞳を向けられたことがある。仕方ないんだ!最前列だから遅れるわけにはいかなかったんだ!!許せ、まこと!恨むなら劇場とその階のエレベータとの間にサイン会場を設けた紀○国屋書店を恨んでくれ。 なんせ仕事終わりに芝居を見に行こうと思うと、ダッシュで会社を飛び出ても開演ギリギリになってしまう。都心からちょっと離れた場所に暮らす者の、悲しい現実だ。青山で六時半なんていう開演時間を聞くと「社会人をナメてる・・・!」と思ってしまうぜ。 青山と言えば、青山劇場では片桐はいりを見たことがある。劇場の入り口でチケットを持った友達の到着を待っていると、なにやら妙に角張った人が見えるではないか。おお!あれは見まごうこと無い、片桐はいり・・・生はいりだ!劇場のオネエサンたちが「間もなく開演いたしますので、チケットをお持ちのお客様はお早くお入りくださ〜い!」と叫ぶ中、妙にホクホクした気持ちになってしまった。開演にギリギリながらも無事間に合ったのは、まさにはいり効果と言えよう。ありがとう、はいり! 舞台を見に行くと、様々な芸能人や舞台人を目撃することが多い。金髪の佐藤アツヒロがさりげなくセンターに座っていたり、渡辺えり子が素敵なお召し物で通路を颯爽と歩いていったり。気が付くと観劇帰りの道のり、すぐ後ろに劇団キャラメルボックスの面々が歩いていたり。(しかし、新感線の舞台に盛り上がっていた我々はその存在にしばらくの間気が付かなかった。) 一度だけ見に行ったTV観覧は、『ウンナンの気分は上々』である。「夢逢え」「やるやら」時代からずっと愛してきたウンナンを生で見られたのだから、これは大変に嬉しい出来事であった。ロケのVTRが流れている間も、普通に飲み物なんかを口にしているテンションの低い内村さんを、ストーカーのようにジッと見つめていたのを覚えている。(イヤなファンだなあ・・・。)OAではあまり流れていないが、ウンナンのツーショットトークはけっこう長い時間とっていて、それもなかなか嬉しかった。(確かその時は、内村さんと南原さんの学生時代の話だったと記憶している。)内村さんの鮫の目を見られたことが一番の思い出だ。機会があったら是非とももう一度観覧してみたい。 普段テレビで見ている人を目撃すると、なんだかほくほくしてしまう。いやあ、こりゃあとりあえず友達に自慢せにゃあならんなあと思ってしまう。やはりテレビがないと生きていけない、自他共に認めるテレビッ子七海の心根はミーハーである。 しかし一つだけ言わせてもらえば、ジャニーズのコンサート、あんたら遠いよ!針ほどの大きさだよ!豆どころか米つぶサ!初めて行った時にそう思った。そんな豆つぶを無視して舞台にデンと設置されていたモニターだけをじっと見つめていた僕は、確実にお金を損していた。(同じ空間でノリノリだった人々は偉い。払ったお金分を上手に使っている。)駄目だ・・・僕、ジャニーズのコンサートだけは生じゃなくてビデオ買おう・・・そう思った。 七海、やはり舞台向きミーハーである。 |