其の四拾弐『仮面ライダーになる為に』の巻



 ああ〜、腕が痛いよ〜ん。
 何故かといえば、この前初めて「バイクの後ろにのっけてもらう」という体験をしたからなのさ。左側の手で操縦者のGジャンを力一杯握りしめ、右側の手ではしっかりバイクのケツを掴んで振り落とされないように頑張った結果が、この筋肉痛だ。
 「初めての人は出で落とされるから気をつけるんだよぉ〜」
 おお!やめてくれ!俺を怯えさせるんじゃない!!
 意を決して後ろにまたがる。っていうか、僕サンダルなんだけど大丈夫なのかな?
 ギュウウンギュウウンギュウンギュウンギュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
 「うひ〜〜〜〜〜〜〜〜!!こ、怖〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いッ!!」
 ナンチャンかユースケサンタマリアに並ぶ怖がり屋さんである僕の絶叫を引きずりながら、バイクはその場を走り去った。
 「曲がる時は体傾けようとか思わないで、自分を荷物だと思って!自然に傾くんだ!」
 わかったぜ、マスター!(誰がマスターだ)
 ここは役者である僕の見せ所だ。さあ、思い込め、思い込むのだ。僕は荷物・・・僕は荷物・・・僕は荷物・・・僕は荷物・・・・。そうそう、アレやね、きっと冷凍シャケの切り身がたくさん入ったクーラーボックスやね。(何で?)僕は荷物・・・僕は荷物・・・僕は荷物・・・そうそう、アレやね、ウチに帰ってきてみると段ボール箱に入った可愛い男の子がおってね・・・ってそりゃ「君はペット」じゃ!!(爆)
 ああ、やっぱり僕気が動転してるみたいデス、マスター。
 周りから見ればそんなに早くない速度なのだろうが、僕的に体感速度はゆうに80キロを越えている。車にのっけてもらいっているのと違って、加速や減速のタイミングが掴めないのでなおさら怖い!!
 「も、もうアカン。降ろしてクダサイ・・・」
 そんな言葉を口にしようとしたその時。
 僕の頭の中に、もう一人の僕が現れたのだった。
 「オマエ、バイクに乗れないで仮面ライダーになれるのかッ!?」
 と。(爆)
 おお!そ〜うだった〜ぁっ!!
 我が愛する秋山蓮と同じ感覚を体感していると思えば、なんら怖いことなどない!!僕がこれから先、神崎士郎にデッキを渡される可能性がゼロでないと誰が言い切れよう!(言い切れるよ・・・。)その際に「バイクが怖いんでやめます」とは言えないだろう、俺よ!?神崎もそれは許さないだろう!
 この際「そういえば北岡の秀ちゃんは、バイクじゃなくていつも高級車に乗ってたっけなあ。」とか「そういえば、秋山を演じていた松田くんは実は大きなバイクに乗れなくて、車に牽引されて撮影してたりしてたんだよなあ。あまつさえ牽引中にカーブでコケたという話もあるじょ・・・。(その際にはたで見ていた真司は大笑いしていたそうだ(笑))」とか、そんな微笑ましいエピソードは頭の隅に固く封印しておこう。

 そう。今、僕は秋山と同じ風を感じているのだ・・・!

 などと思っているそばから、バイクが速度を上げ、車をギュンギュン追い越す。
 「ラ、ライダー辞めます!!」
 ああ、僕の意気地なし。
 なんせ身一つで乗っているという感覚が怖い。
 車を追い越すにしても、体のすぐ脇を車が走っているっていう、この感覚がなんとも言えず「死」に近い。ああ、コケたら死ぬな・・・と思わず思ってしまう。
 わずか5分ほどの距離を3回ほどのっけてもらったという僕の情けない「バイク初体験」は、さすがに「バイクにハマリました!!今すぐ自分免許取り行くッス!」とまでは行かず、「秋山と同じ風を体感出来たぜ、ふふふ。これで僕も仮面ライダーの仲間入りだな・・・・」(←乗り終わっても動転している)とシドロモドロのままに終わったのでありました。
 僕がもしも神崎士郎に出会うことがあったら、デッキを受け取る前にこう尋ねよう。
 「僕、バイク乗れないンですけど、徒歩かチャリンコでもいいですか?」
 と・・・。
 彼はきっと怪しく微笑みながら、何事もなかったかのように鏡の中に消えていくだろう。
 僕が仮面ライダーになれる日は遠い。

(で、バイクに乗って何しにいったかってえと、「モ○バーガー」に飯を食いにいったんです。(笑)しかも僕はそのとき胃を壊したてで、とうふぁ(デザート)とホットミルクティーをモソモソ食べてました。クソウ、せっかく命を懸けて(大袈裟だ)行ったんだから、もっとガツガツ食いたかったぜ・・・!)

A Theatrical Campany yakoudou