其の六『22時50分の絶叫。「だ、大ちゃ〜〜〜〜んっっ!!(涙)」』の巻



 だ、大ちゃんが・・・!!
 大ちゃんが拳銃で撃たれて血塗れに・・・!!
 大ちゃん=哀川翔だからといってVシネではない。TBSで放送されている木曜ドラマ『ぼくが地球を救う』のワンシーンである。このシーンを見た時、オイラは思わず持っていたオニギリを取り落とし(お食事中だった)、ひとりテレビ画面に向かって叫んでしまった。
 「だ、大ちゃ〜〜〜〜んっっ!!」
 口から御飯粒がこぼれ落ちるも気にはしない。目からは御飯粒よりも数倍大きな涙粒がボタボタとこぼれ落ちた。
 「大ちゃん!死んじゃ駄目だ、友作を置いて死んじゃ駄目なんだ〜!!」
 必死に訴えるも、画面の中の大ちゃんは目をカッと見開いて地に臥した。ああ、なんてこった。人死になんて到底有り得ないと思っていた『のほほん癒やし系お笑いドラマ』で人が血塗れになって倒れるなんて・・・。信じられない!そういえば、脳梗塞で長いこと寝たきりだったバアちゃんが病院でコトリと死んだ時よりも、健康でまだまだ長生きしそうだったジイちゃんがとある冬の朝に心筋梗塞で突然ポックリ死んだ時のほうが、何故かショックが大きかった。そういうことなんだな、きっと。
 知らない人のために説明しよう。
 『ぼくが地球を救う』は、階段から落ちると45分間だけ人の心の声が聞こえる能力を持つことになった経理課サラリーマン「アダッチ」こと足立友作(内村光良)が、その能力と持ち前の優しさによって彼と関わる様々な人たちを救っていくという、この夏七海の周辺ではかなり盛り上がっているイチオシ『優しい気持ちになれる系』ドラマである。なんせ主演が『笑いの殿堂』『純愛の街』『コンビニエンス物語』に始まって『夢で逢えたら』『やるならやらねば』『世界征服宣言』『ありあとやんした』『ウリナリ』『笑う犬の冒険』まで、七海が網羅してきたお笑い芸人内村さん。過去のドラマ主演作『ベストパートナー』や『バスストップ』では軽く失敗していた内村さん(笑)だが、今回は、これまた七海激愛の劇団☆新感線の看板役者・古田新太氏や、元ガオレッド金子昇くん、友情出演のネプチューンホリケンなどの個性派メンバーを得て、かなり好いキャラを演じている。
 大ちゃんは友作の小学校からの親友だ。友作が気の弱いのほほんサラリーマンなのに対して、大ちゃんは白いスーツをビシッと着こなす正真正銘のヤーさん(しかしお茶席で「けっこうなお手前を頂戴」していたり、美大生のデッサンモデルになっていたりもしてちょっとお茶目)だ。大ちゃんは強いし、頼りになる。ピンチに陥った時、友作は電話で大ちゃんに助けを求める。「大ちゃん、助けて!」と泣きそうな声で言う友作に、「バカヤロウ。そんなことで電話してくるんじゃねえ。切るぞ」と素っ気なく電話を切ってしまう大ちゃん。でも、本当に友作がピンチの時にはいつも駆けつけて助けてくれる。一見すると、友作が大ちゃんを頼りきっているように見える、が、大ちゃんはそうではないと言う。今からでは想像出来ないが、小学校の頃もやしっ子でイジメられっ子だった大ちゃんに「大ちゃん、俺がついてるから負けるな」と声をかけた友作。大ちゃんが「五千万分の一の女」とまで言って愛した妻が病気で助からないと知った時も、友作は「俺がついてるから負けるな」と奥さんに腎臓を一個くれた。だから友作は大ちゃんにとって「五千万分の一のヒーロー」。「アイツがいなくなったら、大門十三は停電しちまう」ような存在なんだって。
 だけど大ちゃんは撃たれてしまった。友作の特殊な能力を狙う組織によって、何発も銃弾を食らってしまった。
 そんなとき友作から電話がかかってくる。
 会社の同僚たちに誕生日パーティを開いてもらっていた友作は、課長に巫山戯てギュウギュウ首を絞められながら、仕事で遅れた大ちゃんに「早く来て、大ちゃん、助けて〜」と楽しげに言う。
 「友作、すぐ行くから待ってろ」
 「・・・おかしいよ、大ちゃん。すぐ行くなんて、今まで一度もそんなこと言ったことないのに。なんでそんなこと言うの?」
 血塗れでフラフラになりながらも、友作へのプレゼントを拾い上げる大ちゃん。
 「すぐ行くから、心配すんな。なあ、友作」
 携帯電話が手から滑り落ちた。
 そのまま地面に倒れ臥す。
 雨がボタボタと、白いスーツの上に降り注いだ。
 携帯からは友作の「大ちゃん!!」という叫び声が、何度も何度も聞こえる・・・。
 七海号泣の理由がわかっていただけただろうか(わからない?そんな奴は帰りなさい)。ここまでされたら部屋でひとり叫びたくもなるというもの。翌日、オイラの瞼はぽってり腫れ、声はガラガラに枯れていた。かなりこっぴどくやられていたが、大ちゃんは、まだ死んだかどうかわからない。(9月5日放送時点)出来れば、大ちゃん、死なないで、元気になって、また、友作のピンチを救ってやって欲しいのだ。きっと、友作も大ちゃんがいないと停電してしまう。
 頼むぞ、・・・大ちゃん!!

(高校時代、オイラは内村さんのコントキャラを練習し続けた。今でも「九州男児」と聞けば「デンッシンデシデシ」と歩き、「いのちかげろう」と聞けば「ダッシュダーッシュ・・・ダッシュダーッシュ・・・」と走り(?)、「マモー」と聞けば「ちがーう!」と叫ぶことが出来る。伝説のウンナン「101回目のプロポーズ」のコントも丸々覚えてるし、『世界征服宣言』で出てきた「発破歌次郎」の歌った「高尾山」も「日テレ」も「ボート」もなにげに歌える。「日テレ〜オマエは何故〜日テレと呼ばれているのか〜♪」(名曲だ)・・・思えば馬鹿馬鹿しいコトに脳細胞を使っていた。しかしやってみると意外に知っている人が多くて笑ってもらえるのは嬉しい。僕たちの世代はやっぱしウンナン、ダウンタウン世代だ。)

A Theatrical Campany yakoudou