其之七拾宮『妄想ラプソディ』の巻



 「あんたたちは息抜きの間に人生やってるんだろうが!」
 とは、かの名作『究極超人あ〜る』の中に出てくる名言であるが、まさにそのように暮らしていきたいものである。
 嗚呼、裏山から蛇がぽとりと落ちてきたあの懐かしき日々。
 変電所のフェンスに自転車ごと体当たりしていたあの懐かしき日々よ・・・。
 そういえば、小学生の頃道の真ん中で、カマキリとワケのわからん細〜いギョウ虫のような虫が戦っているのを目撃したのだが、あの細白い生き物は一体なんだったのだろう。
 白いギョウ虫(仮)がカマキリにグルグルと絡みつき、カマキリはそれを振り斬ろうとカマをブン回し・・・と、なかなか白熱した戦いを繰り広げていたのだが、あまりのリアルさにゾゾゾと背中に虫ずが走り、その場を立ち去ったあの幼き日々よ。
 思えば、小学生は皆、阿呆だった。
 ミルメークが足りないと大泣きし、肝油を喰われたと激怒し、体育館シューズを忘れたからと靴下で体育の授業をこなし・・・・。そして、音楽の時間に笛を忘れれば、問答無用で誰が忘れたとも知らぬ「落とし物笛」を吹かされた。
 スパゲッティとヨーグルトデザートは人気が高いワリに量が少ないので、盛りすぎないよう充分注意せねばならない。万が一、最後の方で足りなくなると、最初の方で沢山盛った子どもの皿にお玉を突っ込んで徴収しなければならなくなる。
 恨みを込めた男子Aの瞳。
 その皿から大量のスパゲッティを奪う喜びは、あたかも悪の商人が借金のカタにジジイから娘をもらっていく時の気持ちによく似ている。

 給食係「ふははははは、スパゲティはいただいていくぞ!」
 男子A「それだけは〜ぁ!それだけはご勘弁くだせえやし!」
 給食係「うるせえ、うるせえ!ワシの後ろには、お代官さま(先生)がついておるのよ。大人しくスパゲッティを渡したほうが、身の為やと思うけどなあ・・・」
 男子A「何ィ!?」
 給食係「先生〜!Aクンがスパゲッティ、足りないのに分けてくれません!」
 男子A「い、委員長!?」
 先生C「こら〜、A〜!自分だけ独り占めせんと、足らないもんにわけてやれ〜!」
 金持子「まったく、Aクンのココロの狭さと云ったら、猫のひたいですわね」
 男子A「うるせえ、金持ちは黙ってろ!」
 女子全員「やだ〜、Aってば怖〜い!(大ブーイング)」
 金持子「メソメソ。お母さんにも怒鳴られたことないのに!メソメソ」
 一般子「ほらぁ〜、金持子泣いちゃったじゃな〜い!」
 可愛子「もうッ、Aくんてば、最低ねッ!」
 男子A「グア〜〜〜〜ン!!」

 説明しよう!ココロのちょっと狭いAクンは、可愛子のことが密かに好きだったのだ!

 給食係「さ、ここまで云われたら、仕方ありませんやろ。大人しくスパゲッティ、渡してもらいまひょか〜」
 男子A「ウルアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 給食係「ギョ!」
 可愛子「きゃあ!何をするの!?Aクン!何故、フォークを私の喉元に突きつけているの!?」

 説明しよう!可愛子は説明台詞を吐いたのだ!

 男子A「も〜ど〜だってい〜んだヨォ!俺の人生、これで終わりなんだ!このままココロの狭い男として、卒業文集に載るくらいなら、可愛子を殺して俺も死ぬ!」
 可愛子「やめて、Aクン!死ぬなら独りで死んで!孤独に朽ち果てて!」
 給食係「スパゲッティ一杯で人生を捨てるとは・・・・愚かなりA!(ちなみにその原因は私が作ったのだが)」
 金持子「駄目よ、A君!アタシを置いて死なないで!」
 一般子「金持子・・・あなた、まさかAくんの事・・・」
 可愛子「どうして?どうしてこんなことに・・・」
 先生C「ええい!元はと云えば、このスパゲッティが悪いんだ!コイツさえいなければ、Aは死なずに済んだハズだ・・・!」
 一般子「先生。まだ死んでいません」
 先生C「みなまで云うな!解っている。先生が全ての原因を消し去ってやるからな!コイツめ!ふぉいふめ!ふぉいふめ!!」

 説明しよう!先生は、Aをはじめクラスのみんなの命を守るため、Aのスパゲッティを喰らったのだ。喰らい尽くしたのだ!

 先生C「見ろォ!A!オマエを苦しめていたスパゲッティは消えた!オマエが死ぬ理由はなくなったんだ!フォークを置いて可愛子を離せ、な?」
 男子A「・・・・そうだ、な」
 可愛子「Aクン・・・」
 男子A「俺が死ぬ理由はなくなった」
 先生C「A!」
 男子A「ただ、貴様が死ぬ理由が出来ただけだ」
 先生C「え?」
 男子A「き〜さ〜ま〜のスパゲッティをよこせオラアアアアアアアア!!」
 先生C「何をするA!コレは先生のスパゲッティだ!先生のものは先生のものなんだよォ!でっかい三角定規を使っていいのは先生だけなんだよォ!!」

 説明しよう!先生Cは坊ちゃん育ちだった!

 給食係「え〜、それでは、おあがりください」
 クラス「いただきます」

 こうして非常に低レベルな争いを余所に、三年星組の給食時間は緩やかに過ぎていったのだった。【〜完〜】

 だから何だ。
 すっかりワケのわからない妄想で楽しんでしまった。
 疲れているのかも知れない。
 もう寝よう。
 今夜はセピア色の夢を見るに違いない。

(『レッツゴー!忍法帳』見て参りました。人は三時間半、もの凄い高いテンションで笑い続けることが出来るのだ!ただしその後、反動でコメカミがキリキリキリキリ痛くなってくるのだ。ウウ・・・ッ!)