其の八『お願い、もう一度語らせて!!仮面ライダー龍騎編』の巻。



 最近、秋山蓮の苦しみが解ってきた。
 『13人のライダー、戦い潰し合って最後に生き残った一人はなんでも望みを叶えることが出来るのだ』という。その真意と真相は、ライダー同士の戦いを影で操る神崎士郎しか知らない。
 とある実験で意識不明となっている恋人を救う為に戦う秋山蓮。不治の病を宣告され、永遠の命を得るためにライダーとなった北岡秀一。死んだ親友にかわりライダーとなり、決められた運命を変えるべく戦いを止めようとした手塚海之。自己顕示欲が強く、この戦いさえゲームとして楽しんでいた芝浦淳。刑事でありながら悪事に身を染め、己の欲望のために戦った須藤雅史。この世の全てに嫌悪感を抱き、イラつくものは容赦なく破壊する戦いに飢えた男、浅倉威。そして、ミラーワールドからやってくるモンスターから人を守るため、ひいてはライダー同士の殺し合いを止めるためにライダーに変身する城戸真司。
 ライダーになる者にはそれぞれ背負っているものの重さがある。
 『戦わなければ、生き残れない』。
 他のライダーは全て敵。時には協力してモンスターを倒すことはあっても、最後には戦い殺し合わねばならない相手だ。そんな壮絶で過酷な運命の中に身を投げ出してまで、戦わなければならない理由がある。
 蓮には迷いがある。
 恋人を救う為には、他のライダーたちを殺さなければならない。でも、だからといって簡単に人を殺せるほど悪い奴じゃない。真司と関わることによって、蓮本来の優しい人間らしい面があらわれてきたりもした。だけどそれは、蓮にとって大きな迷いとなっている。人を殺せないことは「自分の弱さ」なのか。恋人を救う為に人を殺して自分が生き残って、それで本当にいいのか。しかし恋人の命は救いたい。その為には真司とも戦わなければならない。どんなに悩んでもこの戦いから身を退くことは出来ない。それはすなわち死を意味する。
 この明確な答えの見えない八方塞がりな状態はもう、なんともいえず苦しい。気に入ったキャラを見つけると途端に心の深層まで入り込んでしまうオイラも、そういったワケでここ一ヶ月ほどウンウン唸りながら暮らしている。蓮の迷い込んでいる世界は、逃げたくても逃げ道はなく、進むべき道がまだ決められていないのに、どんどん先に進んで戦っていかなければならない、言うなれば『超高速動く歩道』、みたいなもんだ。立ち止まって悩んでいる時間はない。迷えば躓いて倒される。ナイスコンビネーションを見せてくれる龍騎こと真司は、そんな蓮に光を射してくれる人物だが、如何せん彼自身もまだまだ甘くて曖昧でライダー同士の戦いについて迷いを持っている。
 本編を見ている限りでは、蓮が真司のしでかすことへのフォローに回っているように見えるが、それを可能にしているのは蓮が冷静でいられる時のみであって、深い部分では、迷う蓮を支えているのは真司なんだってことをSPを見て思い知らされた。(そういえばSPの電話投票でEDが『戦いを続ける』に決定したが、七海的には『戦いを終わらせる』派だった。戦わなくてすむように戦うのが真司くんでしょ、ってどっか本編引きずってて。真司にはたとえ蓮相手だって引きずられて欲しくない。戦いを終わらせることが、蓮のためでもあるって思って欲しかったんだよな・・・。う〜ん、怖るべしマルチエンディング方式!)
 軽口叩いて敵ばっかつくってる北岡センセ(彼の職業は弁護士さん)が抱えている不治の病のことも気になるし(自分の命の期限が知らされてるってどんな気分なんだろう?)、浅倉が何を求めて戦っているのかも気になる。本当は蓮も真司も北岡も浅倉も(手塚、芝浦、須藤はすでに戦いで命を落としている。)生き残って欲しいし、幸せになってもらいたいんだけど、絶対そうはいかないことも解ってる。今の正直な気持ちは、「ああ〜、なんだか大変なモン好きになっちゃったなあ」で、「でも、見続けるしかないんだよな」と諦めムード。勝手に深みにはまって「ぐあ〜蓮が苦しいならオイラも苦し〜」とか言ってるだけなんだけど、そういう愉しみ方しか出来ないのでやっぱりコレも諦めムード。ハマッたモンの務めとして、たとえ蓮にどんな最後が待っていようと、その答えを一緒に感じて見届けようと、とある月の晩、決心した。


(番組見てない人はほとんどわかんなかったと思う。ご免なさい。でもど〜しても書いておきたかった。キッカケは『龍騎』本編。ここんとこしばらくライダー同士で戦うことがなかったもんですっかりのほほんとしていたら、まさに怒濤の急展開で、浅倉と北岡、それに真司と蓮も戦い合うみたいなことになって。勿論裏で神崎が手を引いてるわけなんだけど・・・許すまじ神崎士郎!そこで実感したのです。「ああ、この人たち、馴れ合ってるようでも、いつか、戦って殺し合わなきゃならない運命なんだ」って。そうしたらなんだかいたたまれなくなっちゃってね・・・。いや、ほんとに、キツイ番組ですよ、『龍騎』。毎回見る度に魂抜かれてます。) 

A Theatrical Campany yakoudou