其の九『イイ大人だけど、オモチャ屋さんへ行こう!』の巻



 お母上に「伊藤」「よぉ、加藤」(BYボキャブラ天国)の商品券を貰ったので、ソイツをギュッと握りしめてオモチャ屋さんへ行った。
 お目当ては密かにCMを見る度ドキドキしていた『仮面ライダー龍騎』のオモチャである。我が今最も愛しているナイトの武器である『ダークバイザー』と、それがヴァージョンアップした『ダークバイザーツバイ』を入手すべく、子どもたちでごった返すオモチャ売場に乗り込んで行く。目立つところにドンと設置されている『龍騎』のオモチャコーナーの前で、真剣な面持ちで考えるオイラの姿。
 (うぬう。なるほど、ツバイは音声が豊富なんだな。とりあえずこっちを買おうか。いや、しかし、私的にどちらかと言えばやはり通常のナイトの武器のほうがなじみ深く、なおかつ愛しているわけで・・・。いや、しかし・・・)
 走り回る子どもたちの喧騒も、愛想の良い店員さんの声も、耳には入らない。
 (無だ。無になれ、七海よ。自分の内なる声に耳を傾けるのだ・・・!)
 それから約15分後、二つのオモチャを抱えてほくほく顔のオイラが街を颯爽と歩いていた。七海の内なる声の持ち主は自分の欲望に忠実だったのだ。
 というワケで、久々にオモチャなんかを手にしてみたわけだが、いやあ、こいつぁ面白いわい!ナイトが通常持っている『翼召剣ダークバイザー』は、その名の通り剣型のオモチャだ。スイッチを押すと「ジョワン!!カキン!!」という剣の切り裂き音がする。スイッチを押しながら剣を振ってみれば・・・おおッ!なんか戦ってる気分じゃないか!!しかしコレだけで満足してはいけない。『ダークバイザーツバイ』は、にゃ〜んとしゃべるのでございますよ旦那。『龍騎』に出てくるライダーたちは、アドベントカードというカードを使って戦う。ナイトがそのカードをセットするのが、この『ダークバイザー』なのだ。早速カードを装填してみる。
 『(機械音的な音声で)アドベント』
 おいおい、マジでしゃべったよ!テレビ通りだよ!!こいつぁ凄い!!
 さらにはナイトがナイトサバイブにバージョンアップするために使うサバイブカードを装填してみる。
 『サバイブ』
 そのサバイブカードをセットしたまま、アドベントカードを装填。(サバイブカードとアドベントカードをセットする場所は違うのだ。)するとどうだろう。
 『アドベント』
 え、エコーだ!!エコーかかっとるし!!凄ェ、凄ェ!さらにそのままトリガーを引くと、召還音が「ショワワワワ〜ン、バサバサバサ〜」。(ナイトの契約しているモンスターはダークウイング。簡単に言えばコウモリさんなので、バサバサと空から飛んでくるんだよ〜ん。)おお・・・まさに箱に書いてある通りの「なりきり」オモチャだ!う〜ん、いつか龍騎が使っている『龍召機甲ドラグバイザー』と『ドラグバイザーツバイ』も手に入れたいモンだ。(ナイトのオモチャよりも色んな音声が聞けるらしい。って、まだ買う気なのか、俺!?)
 こうしてオモチャをいじっていると、小さい頃のことを思い出す。新しく買ってもらったオモチャに父が電池を入れている時の、待ち遠しい気持ち。お爺ちゃんの家に行くとハハに内緒で地元のオモチャ屋、その名も『夢の王国さくら』に連れていってもらった。今見るとほんとうにちっちゃなちっちゃな店なんだけど、あの当時の私にはまさに夢の王国だった。4歳の時のクリスマスには、グルグル回るスーパーマーケットのオモチャを買ってもらった。パジャマ姿のまま遊んでいてそのまま風邪をひいたが、4歳のオイラに後悔はなかった。こえだちゃんのキノコの家も、ゴム製の不二子ちゃん人形も、ウルトラマンのなりきりグッズも、仮面ライダーの変身ベルトも、金髪人形フローラちゃんも、キティちゃんの遊園地シリーズも、スポーツカーのラジコンも、ララベルの魔法のステッキも、合金合体ロボも、確かに記憶に残っているのに、もうどこにあるのかわからない。実家の物置にひっそり眠ってるのかもしれないし、引越かなんかの時に捨てられてしまったのかもしれない。そうだとしたら、なんか勿体ないな・・・。
 イイ大人になったって、時にはオモチャ屋さんに行ってみるのもいいじゃないか。本よりも、芝居のチケットよりも、CDよりも、ビデオよりも、ビジュアルブックよりも、そういうモノが欲しい頃が確かにあった。(そうだ、オイラ小学校の頃、合体ロボが本気で欲しかったよな・・・。)そういう感覚を時たま思い出すのも、悪くないと思うのだ。


(今『忍風戦隊ハリケンジャー』もけっこう大変なことになっていて、流派は違うが仲間であるカブトライジャー・一甲が死にかけているのだ。小学生の頃に好きだった戦隊モノで、イエローが死んだ事(そんで後々新しいイエローがメカに乗ってやってくるんだよな。確かイエロー女の子だったと思うんだけど・・・あれってなにレンジャーだったんだろう??知ってる人教えてください。)に対して心に大きなダメージを負ったオイラは、こういう設定にとことん弱く、思わず「死ぬな〜一甲〜!」と叫んでいた。イイ大人に日曜の朝から涙をホロホロ流させる子ども向け番組、怖るべし!っていうかオイラが常軌を逸しているだけなのか?)

A Theatrical Campany yakoudou