其之壱百獅拾禄『実録!ハハVS仮面ライダー、そしてコナン』の巻



 先日、ハハに電話した際に
 「そういえば、犬(DS内に生きる柴犬)もう一匹飼ったんだ」
 と云えば、
 「んあ〜!じゃあ・・・・ケンね!!ポチとケン!!」

 真司だよ、お母ちゃん!!

 どっから出てきたんだ、ケン!!
 ある意味なかなか出てこないぞ、ケン!!
 キツネに憑かれているのか、ケ〜ン!!!
 その質問をド〜ンとぶつけてみたところ、ハハは一言。
 「犬だから」

 犬(音読み:ケン)!?

 もうアンタ天才だよ・・・。
 そうか、音か・・・音は気付かなかったなあ・・・。
 逆にハハは「真司(無論、蓮の相方と云ったらこれしかあるまい。ウチは花鶏・・・。)」という名前を、「犬の名前として認識しにくい」と主張して譲らない。
 「真司っていうのは(人間の)男の子の名前でしょ〜?犬はやっぱりケンよ〜。大体、真司ってどこから出てきたのよ!?」

 「・・・・仮面ライダーだよ」

 「・・・・・・・・・・」
 「蓮も仮面ライダーなんだよッ!!」
 「明美、お母さん、そういうのわからないから」
 ・・・・・・・・・知っていたよ。(涙)
 知っていても、主張せずにはいられなかったんだ!!!(号泣)
 うちのハハは、仮面ライダーは勿論のこと、戦隊モノやウルトラマンにもまるで縁遠く、興味そっちのけで生きてきた。
 とある戦隊モノの変身後の姿を見て「あら?この人たち、なんでこんな格好しているのかしら?」と真顔で云った話は、一部有名な話である。
 変身戦隊の人たちに変身後の格好のことを聞いてはいけない・・・!!
 いけないのだ、ハハよ!!
 どう答えてよいものか悩んだ幼き僕は、小さな脳味噌を必死にカラコロさせ、絞り出して一言!!
 「・・・・つ、強くなるために」
 僕はトレーニング後の格闘家か!格闘かなのか!?押忍!!
 しかしその頃にはハハのは既に台所の煮物に夢中で、味がついたかどうかを確かめる為にタケノコをコリコリ噛んでいたのだった。
 俺、破れる・・・!!
 そんなハハの好きなアニメは、何故か『名探偵コナン』である。
 月曜日にはかかさず見ているし、夏休みに放映される再放送までも楽しみにしている。
 現在眼鏡のガキンチョと化している工藤のことを「コナンちゃん」と呼ぶハハ。
 とある月曜日の電話にて。

 ハハ「あ。今日コナンちゃんの日だわ〜。この前のコナンちゃん見た?」
 僕 「見てないよ。平次出てないんだもん!!」
 ハハ「ああ〜。関西弁のお兄ちゃんね!色の黒い子ね?あの子が好きなの?」
 僕 「可愛いよね、平次!」
 ハハ「エエ〜?コナンちゃんのほうが可愛いわよ〜」

 凄い・・・!!
 ハハと僕がアニメの話をして、しかもちゃんと噛み合っている!!
 これは七海家において大変な奇跡なのである。
 ハハは何故かこの『コナン』だけは大変気に入っているらしく、時折思い出したように「急に声変わるのよね!」とか「蝶ネクタイで喋るのよね!」とか嬉しげに語る。
 一体何故ハハをそこまで虜に出来たのだ、コナンよ・・・。
 僕のハハをどうしようっていうんだ、コナンよ・・・。
 つい先日、ハハが正月や夏などに放映されるSPもちゃんと見ていることを知り、思わず口を開けて「んあ〜」と唸ってしまった。
 ハハは仮面ライダーをキョトン顔で通り過ぎるが、コナンには笑みを浮かべる。
 ハハがケンを真司と呼ぶことは・・・・おそらく無いだろう。


(道ばたでカクッチと会いました。)



A Theatrical Campany yakoudou