| 其之壱百檎拾迩『はなぢと塾』の巻 |
|
鼻を強くかんだら、はなぢが出てしまった・・・。 チョビの「ハナ、イタイ。(タリー)」に匹敵するほどの流血沙汰だ。 僕は学生の頃大変に鼻の粘膜の弱い子どもで、よく通っていた塾ではなぢを垂らしては、授業を中断させ、他の生徒たちから有り難がられていたものだった。 先生が箱ティッシュを持って教壇から走ってくる様は、なんとも滑稽で、僕はハナから血をあふあふ流しながら笑っていた。 仕舞いには「七海、オマエ、これ机の上に置いてなさいね」と、はなぢが出る前から既に箱ティッシュを常備させられる有様に。 そういう時に限って、ハナはウンともスンとも云わないものだ。 教本を赤くすることなく授業を終了し「出なかった〜」と箱ティッシュを返しにいけば、先生は心底神妙な顔でこう云った。 「七海・・・、オマエ、わざとやってんじゃないだろうな?」 何ィ!?この僕を疑っているのか、コンニャロめ! そのままぶん殴ってもいいが、とりあえず理由を聞いてみる。 「・・・・・・なんで?」 すると先生は眼鏡の奥の目を潤ませて叫んだ。 「オマエはなぢ出す時って、大抵数学やってる時じゃないか・・・!!数学がそんなにイヤなのか!?エエ!?」 ・・・あれ? 「そ、そうかな?」 「そうだよ!!数学の時が一番だよ!!先生がエックスとか云うと、途端に垂れるんだよ!!いっつもそうだよ!!オマエ、いつもそうだよォ!!」 確かに僕は数学が嫌いだ。 もしや・・・僕は、無意識でいるつもりで、実は意識的にはなぢをコントロールしているのだろうか・・・?! そうだとしたらまさに僕は、はなぢマスター。 一部で、はなぢ将軍の名を欲しいままにしている僕は、とある路地を一本入れば、「はなぢ様ぁ〜!はなぢ様ぁ〜!」などと担ぎ上げられて、そのままはなぢで世界を救うことに・・・・!! 恥じろ!!はなぢに救われた世界の民たちよ!! シヨシヨと暮らせ!! 妄想の中ではなぢの国の民たちにカツを入れている間にも、先生の話は続いていた。 「だから先生、もしかしてオマエがわざとやってるんじゃないかと・・・。数学をやりたくないばっかりに・・・」 これは大変にマズイ。 僕はこの経験から「はなぢさえ流せば、イヤなことから逃れられる」と思ってしまうだろう。 免許取得後、初めての路上。オカマを掘って、ガラの悪いオッサンに絡まれるも、はなぢを流しながら逃走。血の跡をたどってきたオッサンに、ポケットティッシュを恵まれる。 会社就職後、辛い残業。はなぢを書類に染み込ませ、上司に大目玉を喰らう。腹をたてた僕は、上司のパソコンキーボードにはなぢを流し込み、キーを押す度に血が染み出るように細工。除霊のため、翌日会社が休みに・・・! 税金未納で、はなぢ逃走。 嫌いな姑に、はなぢ茶飲ます。 女系家族の財産問題を、はなぢで一喝。 電車男も、はなぢで応援。 はなぢがあれば何でも出来る!!流してみろよ、流せばわかるサ!! イ〜チ、ニィ〜、サ〜ン、ダァー!!! ちゅうてね。 「おい、七海、聞いてるのか?」 「あ。すいません聞いてませんでした。じゃ、先生さようなら」 「おい!七海、話が終わってないじゃないか!!かー!かー!!!」 その塾をやめてから、ぱったりと出なくなったはなぢ。 久々にポロランポロランと流れるはなぢをティッシュで上手にすくいながら、あの日の僕とあの塾との不思議な関係に思いを馳せるのであった。 はなぢ塾・・・。 (はなぢで世界は救えません!良い子ははなぢを垂らさないように!!僕は、プロなので大丈夫なだけです。修行をつんでいるんです。はなぢ塾で・・・。) |