其之壱百鹿拾『終了〜!』の巻



 「ハイ。じゃあ、これでとりあえず今日でリハビリ終わりにしましょうか〜」
 と、医者に云われた。
 「・・・・・マ、マジッスか?」
 「ここまで上がるんだったら、もう大丈夫だね〜。だけど、これからちゃんと自分で腕動かして、もし痛みが出るようだったらすぐに来るんだよ〜」
 腕が上がらなくなってから2週間。
 「今日もリハビリ〜。ババン!バン!バン!」
 などと張り切って幾度目かのリハビリに出向いた僕に、
 「七海さ〜ん。今日時間あります〜ぅ?ちょっと診察受けましょっか〜??」
 看護士が追いかけてきて診察室に誘う。
 そこで医者に云われた一言が、冒頭の一文である。
 そう。
 僕はもうリハビリに通わなくてすむのだ!!電気かけられながら、文庫本を読まなくてもイイのだ!!ホットパットで肩をホクホクさせながら、文庫本を読まなくてもイイのだ!!文庫本は無論僕の持ち込みだ!!(治療には時間のかかるものが多いので、本なんかを持ち込んでいる人は意外に多いのだ。しかし、若者も多いリハビリ室に流石に漫画(ジャンプ系)は持ち込めなかった。この意気地なし!)
 「いや〜。注射が効いたかな〜」
 ニヤリと笑う院長先生に、
 「いや、もうほんと・・・・先生、何と云ったらよいか・・・。押忍!」
 俺ひたすら恐縮。
 なんだこの清々しい感じは・・・。え?なんつうの?これ、卒業・・・?卒業ですかい?ヤメロよ・・・!なんか、涙こぼれてきちまうじゃねぇか!!
 「じゃ、最後のリハビリ、受けて行ってくださいね!」
 「ありやたっした!!(ありがとうございました、の意)」
 た、体育会系・・・。整形外科って何か体育会系だな・・・。(←僕、温々の内科ッコ。内科って文系っぽい。)
 リハビリ室に出向けば、リハビリの先生が「今日、診察したんですねェ」と一言。
 「ハァ」と何故か照れる俺。
 肩をあげたり下げたりされながら、これも今日終わるかと思えば感慨深い。
 「うん。リハビリに来る度にだんだん良くなって来てましたからね。これからも、肩ちゃんと動かして下さいね。そのまま固まらないように」
 はい。俺・・・、俺頑張ります!!甲子園行きます!!(行けネェよ!!落ち着けよ!!)
 「最初が・・・一番辛かったですよねェ」
 先生・・・。
 思い出語るのやめてくれよ・・・。なんか、こう、せつなくなってくるじゃネェか・・・。
 脳裏には真っ青な顔で「グハァ!だ、駄目ッスね・・・!もうあがんないッス・・・!」と泥の中の鯰のような目で訴える僕の姿が。
 「ハイ・・・。辛かったッス・・・!」
 「夜、寝られなかったですもんねェ」
 「ハイ・・・。寝られなかったッス・・・!」
 「でも、よくなりましたからね」
 「ハイ!!」
 何?何、このちょっとした芝居みたいなやりとり。
 エェ〜?何か、オイラ、ちょっと感動ちゃっしてるぜ・・・?
 本日最後のリハビリ患者として、ちょっと長めに時間をとってもらった僕は、先生と思い出話などしつつラストリハビリをゆっくり終えたのである。
 「じゃ、これで終わりということで」
 「ハイ、ありあったした!!」
 深々と一礼。
 母さん、あったぜこの世には。スポ根漫画のような清々しいヒトコマが。しかも俺、出演しちゃってるぜ。凄ェな。生きてみるもんだ。
 受付に最後のリハビリ代を叩きつけた僕は、肩で風切り街を歩いた。
 「・・・・・イデデ」
 調子乗って振った腕が、少しだけ痛んだ。


(『D.Gray-man』熟読。またしてもジャンプ系か・・・!!リナリーちゃん可愛いッ!!しかし本命はやはり兄貴・・・!眼鏡で黒髪長(?)髪、一人称が「ボク」で室長でインテリ系ってもう駄目だろ!!ストライクゾーン真っ直中サ!しかし物語は大変辛いことが多く、読み返してはダメージを受ける日々。参った・・・!)



A Theatrical Campany yakoudou