其之壱百鹿拾糸『のほほん歳』の巻



 うっちゃんが必死に「ミカミケンイチ!」と叫ぶので、誰のことかと思ったら「美川憲一」のことだった・・・・。
 吉田くんが「『トマトとモッツアレラのパスタ』って何味かなぁ?」と云った。
 トマト味に決まってんだろ・・・。
 おお、怖ろしい。
 みんな歳をくって、どうにも脳味噌の具合がおかしくなっているようだ。
 その証拠に、誕生日を迎えてからこのふたり、やたらと僕を噛むようになった。
 モコモココートでおおわれている二の腕やら、ニアとメロも未だ健在な肩やらを、気付くとガジガジ噛んでいる。
 何故か本屋でよく噛まれる。
 或る一定の年齢になると、『本屋に行くと連れの中で一番年下の者を囓る』期間が来るのであろうか?
 冬の間はコートで覆われているので、噛まれていても気付かないことも多いが、このまま薄着の季節になったら僕の二の腕は一体どうなってしまうのだろう・・・。
 歯形でボロボロになる前に、囓られそうなところにちょっと苦い汁などを塗っておき、噛んだら「ぺっ」となるように仕掛けて、七海を噛まないように躾なければならないかも知れない。
 いや、その前に僕の誕生日がやってくるわけなのだが、僕もその日を境に人を噛みたくなるのかも知れない・・・・。
 ならば僕は一体誰を囓ればいいのだろう?
 自分か・・・?
 いや、それはあまりにも虚しい。
 ストレス過多な子どものようだ。
 やはり噛まねばならぬのならば、人を噛もう・・・!
 内山が吉田を噛み、吉田が僕を噛み、僕が内山を噛めば、全てが丸く収まるかも知れないが、本屋の人に事務所に連れて行かれるのも時間の問題だ。
 そしてウロボロスの蛇の絵を見せられて、延々と説教を喰らうのだ。
 む!!
 そういえばうっちゃんは、ラーメン屋で味噌ラーメンセット(味噌ラーメン・白飯・でっかい餃子2本・漬け物)とコーントッピングを平らげていたが・・・!!
 それはこの問題には関係あるまい。
 人はこうしてコニョコニョとコ難しいことを考えていた脳細胞が死んでいき、結果のほほんと生きていけるようになるのだろう。
 内山が「美川」と「ミカミ」と叫び、結果本当の名前に行き当たるまでに一日かかったことも、吉田がトマトパスタの味を「なに味だろうな〜」と楽しみにしてにへにへ笑っていたことも、全てはのほほんと生きることへの始まりなのである。
 恥じてはならぬ。
 むしろ、誇れ!!
 そして僕も。
 2月3日になったら、「チェスト〜ォ!!」と叫びながらポストに殴りかかったり、猫を目の前にして「ふんふん。おたくも大変やったんやねぇ」などと世間話を始めたり・・・なんらかの変異が始まるに違いないのだ!!
 最終的には、本もゲーム機も持たずに温泉に出掛け、お湯に浸かったその後にゃ唐辛子梅茶などを啜りながらのほほんと座っているだけで温泉を満喫出来るまでに達しなければなるまいて。
 にやり。


(月9『西遊記』を見ました。世間的にどうなのかはわかりませんが、僕的にはかなり好きなドラマであります。一部には「内村さんのアクションを見られるだけで、七海は舞い上がっているのではないか」との評もありましょうが、そんなことは7割ぐらいしかないのであります!!うっかり見てしまった『けもの道』と共に、今クールのオモシロドラマとして三ヶ月楽しみにしていこうと思います。エエ、そうですね・・・内村さんは好きです。)