其之壱百八拾傘『両耳が中耳炎』の巻



耳鼻科へ行った。
 またしても・・・・またしても僕は耳鼻科へ行ったのだ。
 このままいけば『耳鼻科に行った』シリーズのみで、一冊の本が作れそうな勢いである。
 今回は喉ではない!!
 鼻でもない!!
 そう!!
 耳だァ!!中耳炎だァ!!
 耳鼻科のジのとこを診てもらいにトコトコと耳鼻科を訪れたのだァ!!
 しかし、今回は勝手が違うのだ・・・。
 6時間ごとに鼻の肉が交互に膨れることを教えてくれた先生の病院ではなく、初めて他の病院へ行くことになったのだ。
 それと云うのも、耳がビヨッと痛くなった日にたまたま鼻の肉先生(仮名)の病院がお休みだったのである。
 夏場に中耳炎を放っておくこと(そしてその結果、鼓膜にカビを生やしたのだ)の怖ろしさをよく知っている僕は、泣く泣く他の病院へ行くことへ・・・!!
 それがここだァ!!頼も〜ゥ!!(バン!)
 ザワザワザワザワ・・・。
 なっ・・・何ィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?!
 耳鼻咽喉科なのに、冬場の内科並みの賑わいダァ!!
 小さな個人病院に慣れていた僕は、エレベーターが開いた途端に現れたもの凄い数の患者さんの姿に、思わず小さく後ずさる・・・。
 いやしかし、ここで診てもらわなければ耳の痛みを抱えて夜を過ごすこととなる。
 それだけは避けねばならぬ。
 いざ、受付へ!!
 「あ・・・あの・・・しょ、初診なんですけど・・・」
 「ハイ!じゃそこに初めての方用の用紙ありますので、ご記入ください!(ビシ!)」
 テ・・・テンポが早い・・・。
 そうだ、ここは個人病院じゃないんだ・・・・。早く場の空気に乗らなければ・・・!!
 カリッ!!カリカリ!!(記入)
 「(バン)お願いします!!」
 「ハイ!では座ってお待ち下さい!!」
 「ハイ!!」
 よし・・・!!掴んだ!!掴んだぞ、この空気!!
 ピンポンパンポーン。
 なっ・・・!?放送・・・!?放送だとぉ!?
 『○○さ〜ん、○○さ〜ん、七海さ〜ん、中待合室にお入りくださ〜い』
 な、中待合室?中待合室ってどこ!?
 とりあえず他の患者さんの動向を見守る。
 すると席を立った人たちの姿が、とある一つの扉に吸い込まれていくではないか。
 そ、そこだああああああああああああああああああああああ!!!
 タッ!(小走り)
 中待合い室に足を踏み入れるや否や。
 「七海さ〜ん!!」
 よ、呼ばれちょるう!!
 「は、ハイ!!」
 「はい、こちらへ!!」
 座る!!
 「今日はどうしました!?」
 「昨日の夜から両耳が痛いのです!!」
 「はい、診せて!!」
 きゅ。
 「はい、逆!!」
 きゅ。
 「最近、風邪ひきました?」
 「い、いえ・・・ひいてませんけど・・・」
 「はい、そのまま正面向いてて!!」
 鼻の穴、きゅ。
 「うん、アレルギーありますね!!耳ってのは鼻からくるのが多いです!!」
 「そ・・・そうなんですか・・・!!」
 鼻の穴、シュッ。
 「両耳軽い中耳炎だね!!高い山に登った時みたいな痛みだね!!」
 高い山に登ったことないのでなんとも云えないッス、先生!!
 「薬だしときます!!それと吸引!!この札持って奥に行ってね!!お風呂入って良し!!」
 「あ、あの、えっと、ありがとうござい・・・」
 「はい、次○○さん!!」
 テンポ早ェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!
 お礼も云いきれぬまま、押されるように札を持って奥へ。
 そこではさらに怖るべき光景が・・・!!
 十人ほどの患者がずらっと並んで吸引を行っているのだ!!!
 「えっと・・・ど、どうすれば・・・」
 「はい、ここに座って!!」
 「は、ハイ!」
 「これ持って、ここ鼻に当てて!!口で息して!!ハイ!!」
 シュウシュウ!!
 て、テンポ早ェ・・・・!!!
 のまれておる・・・!!テンポの鬼とも呼ばれたこの僕が・・・完全にのまれておる・・・!!
 あたかもナメクジを前にした蛇の如き!!
 僕は水で洗われたスナネズミのように呆然としたまま吸引し、そのままふら〜っと支払いを済ませ、結局病院の流れに乗り切れないまま薬をもらって家路についたのであった。
 おお、怖るべし巨大耳鼻科・・・!!
 次回中耳炎になった時には、のんびりゆっくり診てくれる鼻の肉先生の病院へ行こう。
 そうココロに決めたのであった。


(公演期間中にうっかりDS犬に餌をあげずにいたら、久々に訪れた犬部屋で『エッサよっこせ!!エッサよっこせ!!』と抗議デモを開催していました。あいつら・・・)