| 其之壱百九拾『抱き枕と戦う』の巻 |
|
抱き枕を買った。 無論、足までグワバとはさめるデカイ抱き枕である。 なんせ『王様の抱き枕』である。 僕は王様なのか!?・・・それを抱きしめている間は、おそらくは王様なのであろう。それとも『王様の愛用していた抱き枕を貴様如き平民にも使わせてやろう。平伏せ!!平伏して「王様ありがとうございます」と涙ながらに叫ぶのだ!!ほら、抱き枕』→略して『王様の抱き枕』なのだろうか。屈辱だ。 しかしなんにせよ抱き枕だ。 さっそく抱き枕を抱きしめてみよう。 ふむ。素敵な感触だ。 サクサクしておる。 そしてそのまま眠ってみよう。 冷房のタイマーが切れ、暑くて夜中に目を醒ます。 「・・・ハッ!?」 いつもと同じベッドに寝ているはずなのに、何故か妙な圧迫感が感じられる。何故か・・・ベッドが・・・狭い・・・。 「こ、これは・・・・!?」 ムギーと抱きしめていたはずの抱き枕が、いつの間にか仰向けになっていた僕の右側で長くなって伸びておる。 こ、これは・・・抱き枕の添い寝だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!! 狭いベッドの中、抱き枕と肩を並べて寝ている人間のなんと愚かなことよ!! 僕のベッドの半分は、長く伸びた抱き枕の為にあるのか!? 否!! ベッドはこの僕の為にあるのだ!! 気を取り直して再度抱き枕を腕で固める。 ふ・・・もう貴様を自由にしたりはせぬわ!!僕の関節技の前に平伏せィ!!ンゴー。 数時間後。 「・・・・・・なっ!?」 何故だ。 何故、僕は仰向けに寝ている!? 何故だ。 何故、抱き枕が僕の右側で長くなっているんだ!? 人に抱きしめられていない抱き枕など、ただの長い棒だ!!白くてでっかいニョロニョロだ!!はっきり云って場所をとるだけの無意味な物だ!! 白いサンドバック型の抱き枕は、置いてあるだけでも意味のあるぬいぐるみ使用の抱き枕と違って、ただただ不気味にのぺっとそこに横たわっていた。 「は〜今日も疲れたわ〜」みたいな哀愁すらも感じる。 普段から仰向けで眠っている大の字型タイプの僕には、抱き枕は向かないのか・・・。 しかし結構な値段で買ったこの抱き枕。 何としてでも堪能せねばなるまい。 とりあえず腕立てでもして筋肉でも鍛えようではないか。 いっそ、星飛馬も使用していた大リーグボール養成ギプスならぬ、開こうとしてもバネで開かない『抱き枕用矯正ギプス』でも身につけて寝ればよいのか。 リラックスのために買った抱き枕を前に、何故か奥歯をカトカトと鳴らすストレスいっぱいの僕の姿がそこにあるのだった・・・。 怖るべし、抱き枕。 ぬぃ。 (『どうぶつの森』では花火月間です。村長からもらった手持ち花火を、憎いアイツの家に向かって点火してやりました。く、暗ッ!!) |