其之壱百九拾酸『北の民を探せ!』の巻



 ちょほいと前の話になるが、地元仙台では8月の頭に七夕祭りがあった。
 ニュース等でも紹介されるので皆さん御存知かと思うが、頭上に垂れ下がった丸くてふあっさ〜としたアイツを「ほほぅ」「ふむぅ」などと唸りながら人々が見て歩く・・・そんな首の痛くなる催し物である。
 何百メートルと続くふあっさ〜を毎年多くの人が見にやってくる為、この時期の仙台はとにかく混んでいる。
 そんな中、密かにとある催し物が行われていることを、人は知らない・・・。
 北の民は・・・この日、ちょっとしたゲームを行うのだ。
 まずは『歩む者』を一名決める。
 その他の者は『探す者』である。
 歩む者は人でごったがえす七夕真っ直中の街中をひたすら歩く。
 そしてあちこちの店中に配置された探す者は、人混みの中、目を皿のようにして歩む者が通り過ぎる瞬間を見つけるのだ。
 ・・・・ただ、それだけだ。
 果たしてこんなことが面白いのか!?
 うむ!面白い!!
 まず、歩む者は探す者がいったいどの地点にいるのかを知らされていない。
 そして「あくまで普通に歩くこと」が決められている歩む者は、人の混んでいる場所へ敢えて突入し自らの身をカモフラージュするのだ。
 探す者には歩む者のスタート時と、ゴール時にのみメールが送られる。
 それまではひたすら探し続けるのみ!!
 決められた範囲内の店内(1階のみ可)に潜伏し、七夕で浮かれる者たちを凝視する!! 怖い・・・!!そして挙動不審だ!!
 捕まらないようにだけ気をつけろオマエら!!
 歩む者を見つけたら、すかさずケータイにてその姿を激写!!
 歩む者を見つけられたとしても、それを写真におさめることが出来ぬ者は、クリアとは判定されぬ。
 「よく見ろ!!ここだ!!ここんとこの黒い一部分が、ユウの頭なんだっつうの!!」
 「・・・・却下ァ!!」
 「んぬああああああああああああああああ〜!!」
 勝負は非情なのだ・・・。
 「ちゅうかアレだね、もう仙台と一体になるっつうか・・・。もう、俺ぁ仙台なんだって思いながら歩いたネ!!」
 「M崎さん、アンタ、探す者全員に写真撮られてますから・・・」
 「無理だろ!!身長188pに歩む者は無理だろ!!(泣)」
 「Lv1っちゅうか・・・練習モードだな・・・」
 歩む者は全体じゃんけん。
 たまにはこんなこともあるのだ。
 人よ。
 七夕祭りに左右からギリリとした鋭い視線を感じたら、背の高い君の後ろにピッタリとくっついて離れない挙動不審な歩行者がいたとしたら、それは、このしょーもないゲームの参加メンバーであるのだ。
 ニヤリ。


(三津田新三の新刊が出ました・・・!!ジーン。待っていた甲斐がありました。)