| 其之壱百九拾肋『採血8面』の巻 |
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会社にチーム健康診断がやってきた。 ・・・いや、正式名称はそうではないであろうがしかし、会社前にドド〜ンと止められたレントゲン車と会場にズラリ並ぶ白衣集団を見ると、「う〜む。チーム健康診断!!もしくはTHE健康診断!!であることよのぅ」と思う。 健康診断は決して嫌いではないが、僕にとって唯一の難関はズバリ『採血』である。 しかし決して、 「血を見ると気分が悪くなっちゃうのである!!」だの、 「貧血気味なのでサ!!」だのの、 ヲトメチックな理由ではない。 (しかしヲトメは「である!!」とは云わない。) どちらかと云うと、難関であるのはむしろ血を採取するほうの人間である。 チーム健康診断の採血担当オネイサン、平謝りで謝らねばなるまい。 僕の血管は細い上に、堅太りしたスッゴイ腕の中に沈んだ、血の採りにくい腕の持ち主なのである!!(ババ〜ン!!) 『おたんこナース』冒頭で似鳥さんが、「あの腕が・・・憎い〜!!」とギリギリ奥歯を鳴らしていた、その憎い腕こそが僕の腕である。 今まで、ベシベシ叩かれる事は数知れず。 「ストーブに腕当てて血管出してきてネ」と、ストーブに両腕を当てさせられること数回。 最終的に手首の血管から採取されることも度々だ。 ある病院に至っては新米の看護士さんが、 「ちょ・・・ちょっと待っててくださいネ・・・」 と泣きそうな顔で去ったかと思うと、数分後に 「ハイハイ。ちょ〜っと失礼しますよほぉ〜」と 妙齢のベテラン看護士さんが現れたこともある。 マリオで云えば8面くらいのレベルを誇るこの腕と、この血管。 ふふふ・・・貴様にクリア出来るかな!? まずはド〜ンと両腕を差し出す。 「あの、僕、駄目なんです!!」 先に云う!! 「・・・なにがですか??(困惑)」 あ。主語忘れた。 「えっと、すいません。血管が見えづらくて採りにくいのです。(何故かマチコさん風)」 「ああ(納得)」 僕の腕はとても素敵な肌色一色。 血管の筋もなければ、青い色も見えない。 着色ビニルで出来たお人形の腕みたいにベッタンだ。 「・・・どうっすかね?」 チーム健康診断の目がピカリと光った。 「いつもどっちから採ります?」 「えっと・・・こっち(右手)ですかね」 「そうなの?・・・えっと、じゃ・・・ここ(左手)から採ろうかな」 な、何ィ!? この堅太った僕の腕を叩きも擦りもせずに、一発で僕の静脈を探り当てるとは・・・!! 怖るべしミス採血!! 左手のとある一カ所に狙いを定めるチーム健康診断。 僕には何もないただの肌色の場所に見えるが、しかし、年間何百人もの人の採血をしているチーム健康診断・採血担当には血の道筋が確かに感じられているようだ。 決して信用していないわけではないが、ちょっとドキドキする。 「はい・・・採りますよォ」 シュシュシュ〜と針が吸い込まれたかと思うと、血がジュジュジュ〜と吸い上げられていく。 「具合悪くないですか〜?」 「だいじょうぶッス(←生まれてこのかた、貧血で倒れたことない)」 「他のとこに何度も針刺されちゃったりとかするんですか〜?」 「っていうか、何回も腕バシバシ叩かれたりとか」 「ああ〜・・・」 一瞬。 ミス採血がニヤリと笑った気がした。 アタイにかかれば、マリオなんて余裕で全クリよ!的な笑みだ。 凄いぞミス採血!! 「はい、これで終わりです〜」 「ありあったっした〜」 席を離れる一瞬。 僕もニヤリと笑った。 ミス採血、また来年会おう・・・!! (朝飯抜きで低血圧最前線の僕は、下の血圧が52でした。あと身長が154.3pありました。) |