| 其之壱百九拾蜂『嵐の中の指揮者』の巻 |
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低気圧のせいで関東・東北にもの凄い風雨が吹き荒れた。 ニュースを見て東北ピンチ!と電話すれば、 「傘さして自転車乗ってったわよ!!たッかい背広着て!『俺は濡れないんだ』って云って!!」 と、かなりご立腹な我がハハ。 「濡れないわけないじゃない!!」 ・・・エエ。その通り。 しかし親父の『俺は濡れないんだ!』という自信は何処からやってきて、そして何処へ行くのだろうか。 謎だ。 昔、北でちょっとした豪雨があった際に北の民A井は、僕が訪ねた時に何故か雨の差し込むベランダに立っていた。 手に長い何か持っているが、なんなのかはよく解らない。 A井は厳かに手を高く掲げると、突然劇的に体を折り曲げた。 「・・・ぬ!?」 そしてすかさず正反対へ体を折り曲げる。 さらに上へ! 今度は下へ!! 右上!左上!右下!左下! 回してェ〜・・・チョン!! なんだこの奇妙な動きは・・・!? ま、まさか・・・!! 「指揮か・・・!?まさか貴様・・・この豪雨を操っているとでも云いたいのかあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 「そのまさかだ」 何全身ズブヌレでクールな言い回ししてるのだ、この者は。 「この嵐は俺が操っている。その証拠に、俺がこの動きを止めたとき、嵐は晴れる!」 っていうか、今、喋りに夢中で動き止まってますが。 嵐の指揮者はスッと手に持った長いものを掲げると、再び変なカキコキ動きを始めた。 「越えた!!俺は今、オザワを越えた!!」 勝手にオザワ越えを宣言。 そしてひときわ大きく、何かを振ったかと思うとピタリと動きを止めた・・・。 そして、A井の動きに呼応するかのごとく、雨は止み、風は吹き去り、雲の隙間から黄金の光が射す・・・わけは当然なく。 ベランダで一人、雨風に曝されながら佇むA井の姿が。 阿呆だ。 パンツや靴下までべしょべしょにしてまで何をしているんだこの愚かな生き物は・・・。 カラカラと扉を開けて入ってきたA井が云った一言は。 「いやぁ、春雨って雨の中で振り回してもふにゃってならないもんだな〜」 春雨振ってたのかよ!! 未だもってしても、この時に何故彼が雨の中で春雨を振っていたのかは解らず。 春雨を柔らかくする実験をしていたのだとか、雨雲を操る魔法を試みていたのだとか、宇宙人と交信していたのだとか、メテオで街を滅ぼそうとしていたのだとか、様々な説があったが、何一つピンとくるものは無かった。 最近、そのことを思い出したので聞いてみたら、 「え?雨の中春雨振ってた?誰ソレ?阿呆なことすんな〜!」 とゲラゲラ笑っていた。 ここまでキレイに忘れていると「テメエだよ!!」とツッコむのもなんだか躊躇われて、未だ真相は謎のままだ。 あと十年後に再度聞いてみようと思う。 (火を使わない千年灸世界を試した。世界は・・・広い!!太陽に比べて格段に広い範囲を温めてくれる・・・!!しかしよくよく考えたら、世界より太陽のほうがデカイのではないのか。あくまで地球に生きる人間の尺度を表しているのか・・・。難しい問題だ。) |