其之弐百七『書き初めを提出します』の巻



 『書き初めを提出しなさい』。
 という謎の連絡網が北より流れてきたので、百均で道具を揃えて書き初めをした。
 「どういう字がいいんだ?」と問えば、
 「魂の叫ぶままに自由に記せ」と云う。
 成る程。
 本来書き初めとはそういうものなのかも知れない。
 『初日の出〜ェ』などと冬休みの宿題の課題文字を書いているようでは、今後の日本は担っていけないのである。
 吠えろ、若人!(若くもないが)
 筆を握り目を閉じて、自らの魂に問う。
 七海、オマエは一体この2007年に何を望んでいるのか、と。
 『カッ!!』
 閃いた・・・!!
 頭上にピンと浮いた電球に導かれるように、サッサッと筆を走らせる・・・!!
 筆よ!墨よ!半紙よ!
 我が想いをココにあらわせーーーーーーーーーーーーーーィィィ!!!

 閃いてからものの40秒。
 僕の魂の書き初めが書き上がった。
 真っ白な半紙に黒々と浮き上がった文字は・・・。

 『よきに計らえェ 七海明美』。

 ・・・自ら書いておいて何だが、なんだろう、この悪代官じみた一言は。
 さながら提出相手は越後屋か?桔梗屋か?
 2007年、我に対して貴様らよきに計らえよという高慢な望みか、それとも「もう2007年なんかよきに計らっちゃいなYO」という諦めの境地なのか・・・いずれにしても我が心より湧いた言葉には変わりはない。
 書き初めをエアコン前にて乾かして、封筒に仕舞い、北へと送る。
 数日後、北より便りが来た。

 「皆よ。書き初め提出ご苦労様です。さて、今回、皆様に書いていただいた書き初めを、提出順に並べて文章を作りました。」

 ・・・意味がわからん。
 とりあえず読み進める。

 「では様々な偶然に出来た奇跡の書き初め文章をご覧下さい。」

 そうして次のような文章が続く。

 『「初日の出」、「魔性の女」が「お餅を喰らう」。「学級閉鎖」だ!「よきに計らえェ」。』

 よきに計らっちゃ駄目だろうがあああああああああああああああァ!!
 学級閉鎖の理由はモチなのか!?モチによるナントカなのか!?
 しかもベタに「初日の出」って書きやがったの誰だコンチクショウ!!
 ・・・もうこれ以上魔性になってどうするつもりなんですか・・・。(ゲソッ)
 「なんとも云いようがありません」とメールを送れば、
 「皆さん、そうおっしゃいます」という小洒落た返答が返ってきた。
 家にはたらんと垂れた筆一本。
 穏やかな正月のひとときを無駄に使ってしまった。


(白飯の白色が見えなくなるほどに、のりたまを敷き詰めてご飯を喰らいます。大袋ののりたまも三回〜四回かければカラになります。かけすぎです。)