其之弐百蜂『人間ドッグだ、ゴーゴゴー』の巻



 先週、何故わたくしが『趣味の小部屋』と川柳をお休みすることとなったのか・・・。
 それは・・・我が家に伝わる古来のパソコン・富士通様が、とうとう病床に伏し、いっこうにお目覚めにならなくなったためである!(ババ〜ン)
 パソコン博士よちさん(夜光堂の吉田さん)に、
 「パソコンがダメになりおった」
 と詳細を話せば、
 「それはきっと、ファンが回らなくなったためだ」
 と云う。
 ファンて何だ・・・?
 「ファンを掃除すればまたたちあがるようになると思う。(博士談)」
 富士通様を我が家に迎え入れてからこのかた、一度としてそんなもの掃除したことなどない。つまり、我がパソコンのファンには約12年のホコリが蓄積しておるのだ。おぉ、開けるのも怖ろしい・・・!!っていうか開け方すら解らない・・・!!(ガビーン)
 困ったものだ。
 ファンの掃除の仕方は公演終了後、ゆっくり講習を受けるとして、こうして今は吉田家のパソコン様を駆使して原稿を書くこととする・・・。

 そんなこんなで人間ドッグである。
 個人的には胃カメラをグイグイのんだりした経験はあるものの、人間ドッグを受けるのは初めてである。
 人間ドッグと云えば、バリウム・・・!!あの恐るべき白いセメントのような飲み物!!
 確かにバリウムは辛かった。
 ごろんごろんと台の上を回りながら「だいじょうぶかな?俺って・・・一人上手っぽくないかな??」などと余計な心配すらもした。
 が、しかし!!
 バリウムなどよりもずっと怖ろしい出来事が、人間ドッグには待っていたのだ。
 それは・・・聴力検査である!!(ババ〜ン)
 人よ、君よ、侮るなかれ聴力検査。
 一部の者には耐え難い最悪の状況で行う聴力検査は、僕に多大なるダメージを与えたのであった。嗚呼、クリティカルヒット・・・略してクリット・・・!
 人間ドッグで行う聴力検査は、完全密閉・完全防音の小さなデンワボックスのような中で行われる。
 僕一人が入ったらいっぱいの小さな空間。
 防音のための分厚いドア。
 やはり厚いガラスがはめられている壁。
 そんな小さな箱の中でヘッドホンをさせられ、聴力を検査される・・・。
 そう、僕は、閉所恐怖症。(バババ〜ン)
 苦痛だ!!大変な苦痛だ!!これ以上ない程の、もうなんつうか、せつなくて涙が出てくるほどの苦痛だ!!
 扉を閉められた時点で、もうすでに呼吸は浅く、意識が遠のいていく。
 もうなんなの、このピーピーって音・・・!!あっ!!検査中だった!!俺よ、がんばれ、意識を保つのだ!!っていうか、もうコレ絶対正常に検査出来てないし!!なんちゅうか、もうこのヘッドホンの中には僕の激しい心音だけが響いている気すらするし!!
 いいや・・・アレだ、もうほんと、適当に押して早々に此処から出よう。
 嗚呼、入ったはいいが、こちらからは出られない箱よ。
 今回の公演もそう云えば、
 「入ってはこられるが、こちら側からは出られない」
 「・・・出られないの??(霞・内山良子)」
 ちゅうか、うまいこと真似してる場合じゃネェし。
 早く此処から出してくれぃいいぃいいいいいいいいいい!!!!
 時間にしたらわずか三分ほどであったであろう、がしかし、僕にはもうこのまま永遠に出られないのではないかとすら感じられるほど長い時間であった。
 これに比べたら、真っ白な唇のまま台の上でコロコロ転がるなんて軽いものよ。
 台にあがって炭酸の顆粒を手にするまで、自らがマスクをしていたことを気づかなかったハズカシ話など屁のようなものよ!
 腹部エコーで鳩尾をゴリゴリ攻撃されて、「もうこれ以上押されたら、この人を殴って此処を出よう」と思ったことなど何でもないわ!!
 採血で、「血がなかなか出ないから」と針が刺されたままの血管をギュウギュウ押されたことだって恨みはすまい!!
 バリウム前のお話でベテランの看護士さんに「バリウムは・・・あまり味わって飲まぬほうがよいでしょう」と静かな口調で重々しく云われた時には、ちょっとギョッとしたぜ。
 人間ドッグ・聴力検査に携わる皆様よ。
 どうか聴力検査の前には、一言、「密閉空間、平気ですか?」と尋ねていただきたい。
 僕は晴れた青空のような笑顔で「ヘイ!!」と答えることとしよう。


(人間ドッグ終了後にはちょっとした昼ご飯が振る舞われるが、下剤を少し飲んでいるので、「そんな気が気じゃネェ状態で飯が喰えるかコンチクチョウ!」と、お食事券を拒否しダバダバと帰宅しました。)