其之弐百弐拾『ハハとユーレイと妖怪と』の巻 |
|
久しぶりにマッサージへ行った。 なんせ我が肩は、岩石の如き硬さを誇る鉄壁の城壁。 本職のマッサージ師さんも、プルプル震えながら押すほどの厚さだ。いつか超過料金を請求される気すらする。なんせ震えるほど押してくれているのだ。 いつからこんな肉の焼けそうな鉄板肩になってしまったのだろう…。 ちょっと熱したらステーキも焼ける。 我がハハが最近「オーラの泉」を見たらしい。 今までそんなことに触れたこともないくせに、突然「霊っているのかしらねー」などと云う。 「さぁなあ…。妖怪なら居るが」と、さりげなく妖怪の存在をアピールするもあっさり無視。しかも驚くべき一言を発したのだ。 「お母さん、ユーレイ見たことあるわよぅ」 ……イマ、ナンテ?←「琥珀に伝う夢」参照。 ユーレイのユの字も発したことのネェ我が母上殿が、ユーレイを見たとなあああああーーーーーぅん!! ハハ曰わく。 「家にいたらね、白い人影がふっと窓の外を玄関の方に向かって歩いていくのが見えたの。誰かお客さんが来たんだと思って、玄関のチャイムが鳴るの待ってたんだけど…ちっとも鳴らなくてね。外見てみたら誰もいないの」 とのこと。 それ、凄い勢いで他んちのシーツが風でぶっとんでったんじゃねぃのかい?とも思ったが、どうやら怪異はそれだけではなかったようだ。 夕方、庭にある木の上から鳥の声がするも、一向に姿が見えない…ということが続いたようだ。 元来そういったことに免疫のない人だから、怯えるかと思いきや、晴れ晴れとした声でこう語っていた。 「たぶんお父さんだと思う」 僕から見れば、爺様に当たる。 「お父さんが亡くなってからだもの」 なるほど。 確かに僕も思い当たる節がある。 爺様の葬式の時、風もない室内で供えられた花がぶおんぶおん揺れていた。 同様に婆様が亡くなった時も、婆様の着物箪笥に入っていたはずの喪服のお着物が、我がハハの着物箪笥にワープしていたらしい。 心配症の爺様は亡くなってしばらく家の辺りにいて様子を見ていてくれたようだが、ある日ぱたっと姿を消した。 やっと安心してお母さん(婆様)のところへ行ったのネェとは、ハハの弁。 こうして我がハハは、「我が家で起きた怪異のみ信じる」という結論を出したところで、再度「妖怪は?」と聞けば、 「居ないわよー」 …なんでだよ! なんでユーレイは信じるのに、妖怪に対してそんなに素っ気ないんだよ! 家族か?!家族に妖怪がいないからいけないのか!?エエ!? 「もうあんたは昔っからそんな変なことばっかり云って。そのうち妖怪になっちゃうわよ」 違うんだー!妖怪の成り立ちとはそもそも人間の認識によるものに由来するのであって、本人の希望でなれるようなものじゃないんだー!お母さんのアホー!(号泣) この手の話になると、どうも噛み合わぬ…。 (爺様婆様の眠るうちの墓は、ハハが話しかけるとソトバが一斉に揺れるそうです。あと「ゲゲゲの鬼太郎」がリニューアルされたので見てます。やはり個人的には幽霊より妖怪が好きですぜ) |