其之弐百弐拾傘『ハイテンション→ローテンション』の巻



最近干し梅ブームがやってきた。
あくまで自分の中でのみ、干し梅のランクが急激に上昇している。
嗚呼…甘いのか酸っぱいのかよくわからない甘味料まみれの味よ…。しわしわでふにゃふにゃな一見不気味なビジュアルよ…。
今の僕にとっては君の全てが芸術だ。
そんな芸術を日に一袋喰い漁る…僕の会社の机の中は、様々なお菓子会社が繰り出した干し梅たちで溢れている。
過去、ねり梅ブームやマンゴーグミブーム、龍角散のど飴ブームを経て、そして今この時の干し梅ブーム…。
干し梅(特にスッパイ○ン)が苦手なうっちゃんに「ヒィ」とおののかれつつ、今日も僕はいろんなところに干し梅を忍ばせてゆくのだ…。
(そういえば、最近よちさんが梅昆布を一袋平らげているのを見たっけな…)

先日、仕事中に親父殿のケータイから数度に渡る着信があり、すわ何事?!と急いで連絡してみれば、
「今ねー三越にいるのー(ハハ)」
何ィ!?それだけか?!それだけなのか!?
「それでねー今ちょうどご飯を食べ終わったんだけどー、三越の食堂でね、冷やし中華をたべたのよー」
う…うん。よかったね。ちなみに僕は今からサラダとおむすびをむしゃり喰らうんだけどもね…。
「お父さんはそばだぞー(父声)」
そうか…父さんは蕎麦を喰ったのかぁー。うちの父さんは蕎麦が好きだからなぁー…ってだからなんなんディ!
「あ。そうそう。三越に来たので、果物をおくるわねー」
…あ…あ…ありがとう…。
そしてぷつりと電話は切れた。
つい先ほどまでパソコンをガツガツ叩いていた者と、食堂で麺類を喰らっていた者との、テンションの違いを露わにした一場面であった。

我が家の近くに電気屋があり、看板犬の柴犬がいる。
客でもないくせに、勝手に「電気屋しばちゃん」と呼んで親しんでいるのだが、通る度にチラリと観察しているうち、しばちゃんの持つ二面性に気付いてしまったのだ…。
しばちゃんは、お店にいる時と、お店の横にある小部屋にひとりで入れられている時がある。
お店にいる時は背中をぴんと伸ばして、ちょこんと行儀よくお客さんを待っている、行儀のいい看板犬だ。ひとりで退屈して、肉球の間に生えている毛をむしむし毟っている時でも、お店の自動ドアに人影がうつれば、途端にぴんと背筋を正す。
すまない電気屋しばちゃんよ…オイラはただここを通勤路として通るだけの生き物なのにな…。
そんな愛らしいしばちゃんだが、店横の小部屋にうつされている時には、その形相が一変するのだ。
ある時は窓ガラスに顔の側面を押し付け、虚ろな半目で道路を見つめていた。
またある時は、体をでろんと地に横たえ、歯をむきむき剥き出しにして、またしても虚ろな半目で虚空を見つめていた。
キミのそんなオフな姿は、ガラス戸のおかげで皆に丸見えさ…。
ご主人様と一緒に店にいられない淋しさなのか、店で頑張りすぎる反動なのか…なんにせよキミの瞳はあまりにも虚ろすぎる…。
犬を飼ったことがない僕にとって、そんなしばちゃんの姿は、なんとなく飛行機の客室乗務員の仕事中とオフの日を目の当たりにしているような気がして、シュールな気持ちになる。
いや、客室乗務員のオフの姿も、勿論目の当たりにしたことなどないのだが…。
勝手な思い込みである。

最近見た凄いのぼり。
「仏具・仏壇まつり」
とある仏具店の店先にて。
ああ…まつっちゃった…の?


(さらに「酸素バーはじめました」の看板がうちの近くの店に…どうしたもんでしょう、我が家周辺)