其之弐百参拾壱『七海、犬のように洗われる』の巻



 久しぶりの吉田家パソコン執筆である。(註:現在も僕のパソコンは休眠中。いつもはペコペコと携帯電話を駆使して小部屋を打っているのだ。)
 ・・・いい・・・!(ジーン)
 右手の指が痛くない・・・!右手の筋がピーンってならない・・・!キーボードって素晴らしい・・・!文明って素晴らしい・・・!!誰か、携帯電話に接続できるキーボードを開発してくれ。オレ、絶対買うぜ・・・!

 先日、髪を切りに行った。
 僕の通っている美容院は通常オートシャンプーで、「オートだけは勘弁してくれよ〜」という人は500円上乗せしてハンドシャンプーにしてもらうシステムとなっている。
 以前、小部屋にも書いたようにオートシャンプーでモダモダしてしまった僕は、それ以降毎回500円を叩きつけてハンドシャンプーで洗ってもらっている。
 「オートは駄目っすか〜?」
 と、美容院のオニイちゃんが聞く。
 ああ、駄目さ。
 駄目だから、貴様に頼んでいるのであろうが!!
 しかしそこは僕も社会人、極めて冷静に「くすぐったくて駄目なんスよははは〜」と乾いた笑いで応戦だ。
 「じゃあ倒します〜」
 ニイチャンが僕の首をがっちりと支えてくれる。
 おい、ニイチャンよ、オレはこう見えてブートキャンプ入隊者だ。腹筋メニューで首はガッチリ鍛えてあるぜ。余計なサポートは無用だぜ・・・!!(ビリーの腹筋は必ず顎を引いて首をあげるのだ)
 ふふふと余裕をかましていたこの僕であるが、この先、まさかあのような目に遭うことになるとは・・・その時には思いもよらなかったのである。
 まずはシャンプー台に寝かされる!
 そして、顔に白い布をグワっとかけられる!
 ・・・この時点でなんかおかしい。
 クロロフォルムをかがされる人みたいに、グワッと手の平全体で顔を覆われる。
 怖ェ。
 「じゃあシャンプーはじめますね〜」
 う、うん。よろしくね。
 ズシャー!!
 グハァ!!物凄いシャワーの水流だぜ!!飛んでる!飛んでる!!水しぶきがオレの顔の出た部分やら服やらに飛んでるって絶対!!
 「温度だいじょぶッスか〜?」
 温度は大丈夫だよ!!(爆)水流が・・・オメエそりゃすっげえ強すぎだろうがよ!!
 「じゃあシャンプーしま〜す!」
 う、うむ。頼むよ。
 シャコシャコシャコシャコ!!
 そうそう。シャンプーはたくさんつけてもらったほうが嬉しいもんな〜。
 「じゃ洗っていきますね」
 ワシャ!ワシャ!
 ・・・ん?
 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!!
 な、なんなんだこの妙に力強い洗い方は・・・!!なんちゅうか、こりゃ・・・あれだ・・・犬を洗う時の洗い方にそっくりだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 僕は今、すっごい洗われている柴犬の気持ちだ。
 確かに僕の髪は硬い。
 短くしている時なんかは、そりゃもう犬の毛にも引けをとらない硬さだ。
 だからって、こんなに力強くガシガシ洗わなくたっていいじゃネェか、ニイチャンよ!
 もうこりゃ、泡とか色んなとこに飛んでるぜ。
 コイツ、髪のふわ〜っと長い美人のオネイチャンも同じようにガシガシと洗うのだろうか?
 ・・・いや、んなわきゃネェ。
 髪の長いお嬢さんだったら、きっとふあ〜って優しく洗う違いネェよ!
 ティ○テ〜みたいに優し〜くしゅわ〜って洗っているに違いネェぜ!!
 オイラが物凄い硬くて短い毛だから・・・だからこんなにグワッシャグワッシャ犬みてえに洗ってるんじゃネェのかい?
 違うって云えるのかい?胸に手を当てて、違うって云えるのかい?
 確かに僕は美容師さんのことはよくわかんネェし、シャンプーのこともよくわかんネェ。もしかしたらどんな人に対してもそうだったとしてもだ!!
 例え、その洗い方がオレの髪質に最も合った洗い方だったとしてもだ!!

 ・・・こんなにガシガシ洗われたのは初めてだったものですからあああああああああああああああああああああああああああ!!(ザッバ〜ン)

 ガシガシガシガシ!!
 ・・・おお!後頭部が終わった・・・!!ちょっとホッとした・・・!
 と、思ったら今度は揉み上げだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 何故だ!!
 何故こいつは俺の揉み上げをこんなにも執拗にゴシゴシ擦るんだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 両耳のわきをガシガシ現れる俺の気持ちを・・・考えたことがあるのかあっ!!(一喝)
 それとも「テメエの揉み上げ、から揚げのにおいがすんだよ!!」って思ってるの・・・??僕が気づかないだけで、僕の揉み上げから揚げのにおいがすんの?それならそれでいいじゃん・・・おいしそうじゃん!!(叫)
 そうして、僕は揉み上げをはじめ、頭のいろんな場所をわしゃわしゃ洗われ、放心状態の砂ねずみのような表情で白布を取り払われた。
 今、犬の気持ち・・・。


(よちさんは、豆しばを買う予定のことを僕に切々と語る。「ここのブリーダーさんが評判よくてね!でね、そこで買うとね、ペットホテルより格安でいない時のお世話とかしてくれるんだよ!公演の時とか預かってもらえばさ〜、安心だし!!」・・・うん、で、そのためにはペット可の棲家を探さなきゃいけねぇんじゃないのかい?「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこなんだよ・・・・・・・・・・・・・・・」夢、遠し!!)