其之弐百参拾弐『夏とオレ』の巻



夏@カブトムシ
会社の人が、オガクズにわらわらと埋もれるカブトムシらを見せてくれた。
うーむ。
カブトムシは平気が、ここまでたくさんいるとちょいとウゾウゾするぜ。
っていうか、このちっこいヤツ、スゲェでかいのに顔面踏まれてっけど、だいじょぶなのか…?
これどうしたんスか?と問えば、北から来た人にもらったのだという。
確かに北にはカブトムシがわんさといそうな山だの木だのがたくさんある。
なんでも、北にはその人しか知らぬ秘密の場所があり、朝早くにそこにある木をぐあ〜んと蹴れば、カブトムシだのクワガタだのがぶあっさーと降ってくるのだそうだ。
す…すげぇ!
「蜜なんか塗らなくとも、たっくさん落ちてくるんだってー」
ほほう。カブトムシの降る木…そりゃまさに秘密の場所じゃわい。カブトムシ好きなら、よだれジュルジュリじゃわい。
っていうか、この小さいヤツまだ顔面踏まれてるけど、いい加減助けてやったほうがいいッスかね…?
試しにデカいカブトムシの脇腹を摘んでみる。
ジタジタバタバタ!
くおお!
ヤツに触るのはまさに小学生ぶりだが、こんなにチカラ強いものであっただろうか!?
ふぬー!負けぬ!
しかしヤツは手足をジタジタ動かし、巧みなツイストで僕の手から逃れようとする。
くそう…僕の指先ももう限界だあああ…!
えいっ!
プラーン…。
ふはははははははは!角の先を摘んでやったわい!これでもう手も足も出まい!
ジタジタバタバタ!
うおお…またしてももの凄い抵抗にあい、指先が限界に…!
ボトリ。
うーむ、さすがはムシキング。人間にすら引けをとらぬとは…凄いヤツだ。
感心しながら、ふと虫カゴの中を見れば、あのちっこいヤツの顔面にまたでっかいカブトムシの足がヒットしている…!
ハッ!!
アンタの顔面にヒットしてるそのでっかいヤツ、僕が落としたヤツですか?
…すまん!ちっこいの!

夏Aビリーで痩せ…る?
「わーい!ダイエットだぁー!」とビリーを始めて三か月。
オレの体重2キロ落ちた…。
応用編を行うたび、ビリーは「2キロは痩せたな」と云う。
ビリーのあほー!その理屈でいったら、三か月毎日なんらかのプログラムを行っているオレは最早ガリガリのハズだー!(爆)
同じく毎日ビリーをやってる痩せてるよちさんなどは、痩せすぎてもうすでに跡形もなくこの世から消え去っているハズなんだー!
ビリーは効果がないのか?
いや、それは違う。
我々には、間違なくビリーを続けることにより、ある効果を得ているのだ。
では、体重が減る代わりに、我々の身に何が起きているのか…!?

筋肉がつきました。(夜光堂一同)

確かにウエストや足の付け根など、締まって細くなっている部分はある。
が、しかし!
なんだ!
この盛り上がった二の腕は!
なんだ!
この腹に出来た筋肉の線は!
ちょいとよちさん!なんなんですか!そのフトモモに出来た筋肉の線は!
半ズボンはけませんよ!(…履くの!?それは凄い)

練習時のみビリー参加のうっちゃん・たけちゃんも、体のあちこちが固くデコボコしている。
たけちゃんはいいんだ男の子だから!筋肉は男の勲章だ!(そうか?)
しかし嫁入り前の女子軍団が、筋肉的にイイ体になってどうするつもりなのかい?
もっと女的に!軟らかくしなやかにボンキュッボーン!(錯乱)
嗚呼悲しきことに、夜光堂のヲナゴらの抱き心地は固い…。
夏、痩せ痩せで生きて行く予定だった僕は、夏ムキムキで生きて行くこととなった。
教訓。
普通に痩せたい人は、筋肉の使い方など分析せずに動き、二週間くらいで止めましょう。
嗚呼、ムキムキの夏…。
半袖着たくネェ…。

夏B花火
幼い頃、河川敷に花火大会を見に行ったことがある。
そしてそこで見たことがある。
河川敷の坂を転がり落ちて行くオッサンの姿を…。
おそらく花火を見ながら歩いておったのでしょうな。
オッサンは、夜空に浮かぶ大輪の花に目を奪われてしまったのだ。
僕が覚えている限り、オッサンは笑顔だった。
満面の笑みを浮かべながら、歩道から足を踏み外して、川へと向って伸びる坂へと姿を消し、そのまま坂をゴロゴロと転がり落ちて行ったのだ。
彼にとっても、それは突然の出来事だったのだろう。
声をあげる間も無く、無言で落ちて行った。
…ので、誰も気付かなかった。
…ので、なんの騒ぎになることもなく、オッサンは数分後、よちよちと坂を這い上がって来た。
幼い僕の目にも、笑顔で消えた直後、無表情に坂を上ってきたオッサンの姿は、とても切なく映った。
泣けるよオッサン…!
髪の毛についた草とかスゲェ泣けるよ…!
しかしながら、何故楽しい花火を見に来て、こんな切ない気持ちにならねばならないのか…いまいち納得いかない幼子であった。


(我が町は参院選に思いっきり祭りの日がかぶっています。選挙やる気ネェか、もしくは市民全員期日前投票参加型かのどっちかでしょうな。戦ってるな!ある意味!)