其之弐百参拾碁『ハワイアンで流れる小三』の巻 |
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暑い。 冷房が効いた部屋で、ビーフジャーキーをつまみつまみ、炭酸飲料をガフガフと飲みたいものだ。 今年は北も暑いらしく、皆一様にシヨシヨと枯れているようだった。 「オレがセレブだったらねー、かき氷が敷き詰められたプール作って泳ぎたいねー」とは、長時間外を歩いて脳味噌が飽和状態となった者の一言である。かき氷ぐらいシャリシャリに砕いちまった氷なんか、あっちゅうまになくなっちまうだろーと思うが、すっかりロンパった目をキラキラさせる彼の人の姿を見ると何も云えぬ。きっと、夢を打ち砕いた瞬間、枯れて消滅するに違いない。 「ところでそのかき氷は何味なんだ?」と問えば、「…ブルーハワイ」と答える。昔からずっと思っていたのだが、ブルーハワイって味の分類でいったらナニ味なんだろうか…?謎だ。 僕が幼い頃、よく常磐ハワイアンセンターへ行ったものだった。 常磐ハワイアンセンター…現在ハワイアンズと云うちょいと洒落た名前になっているあの場所だ。 夏は勿論、冬に行っても南国ムードだハワイアンセンター!フラダンスを踊るフラガールの他にも、腰ミノいっちょでタイマツぶん回すオニイちゃんもいるんだぞ!ズンドコズンドコ!あとヤシとかフツーに生えてもいるぜ!気温も高いぜ南国だ! 当時、近場に住んでいた小学生らの間では、ハワイアンセンターはなかなかの人気スポットであった。 「オレ昨日、ハワイアンセンター行ったんだぜ!」 「ほぉー(クラス一同)」 …的な程の。(いまいち盛り上がりきれないのは、地元故か) 何種類もの長ーい滑り台(途中で止まってしまうと、焦りながら足とケツで進んでいくより他ないデンジャラスアトラクションでもある)が何本も、ドーム状の高い天井のあちらこちらを縦横無尽に伸び、着地地点のプールからは大きな水音と笑い声が響いてくる。 ああ、ハワイアン。(…そうか?) そんなアトラクション盛り沢山の中、僕が夢中になっていたのは…ズバリ流れるプールであった。 浮輪にスッポリとハマったまま、いつまでもいついつまでも、流れ続けているのが好きな子どもであった。 プカーっと浮かんで、なにがそんなに楽しいのかニカニカ笑いながら、何周も何周も満足げに流されていく娘の姿を見てハハは何を思っていたのであろうか…。(そして当時の僕は一体なにがそんなに楽しかったのだろうか) 帰り際になると、ハハは決ってプールサイドより僕を呼んだ。 「明美ー!もうあがるのよー!」 そこでガキんちょ、叫び返す。 「あーとーいっしゅーーううぅぅぅーぃ…→→→→(答えつつ彼方へ流されていく)」 一周流されてハハの待つ辺りに戻ってくれば、プールのへりでオヤジ殿が仁王立ちしておる。 これはマズい!と思うや否や、オヤジの太腕でズルリ釣り上げられるチビッコ。ヤメロー!急に水からあげられたら、ふやけた皮膚から脱皮すんぞ!(んなわきゃない) ハハが問うた。 「どうしてそんなに流れるプールが好きなの?」 ガキンチョ、しばし考えた後答えて曰く。 「…ながされるの、きらくだから…(当時小三)」 気楽、だから…? くおおるあああああああガキンチョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!(怒!) 貴様、何をあまっちょろいこといってやがるんだ阿呆たれ鼻たれガァ!(爆) そんなことをいっていたら、これから先様々な人生の壁を乗り越えて行けないぞ! いいかガキンチョ。 今だからいえるが、貴様はこれから物凄いことにがたくさん待っているのだぞ。受験戦争!就職戦争!そして宇宙戦争!(参加すんの?)さらにはビリーズブートキャンプ入隊! 「気楽だから」なんていってたら、ミリタリープレスに遅れをとるぞ!オイサー! コラそこでスクワットでキープせぇ!一から鍛え直しヤァー! …しかしながら、未来のことなど知らぬ小三は、ハナを垂らしながらペタペタとロッカールームへ向って行くのだった。 うーむ…しかしながら、大人だって気楽に…生きて行きたいぜ、ガキンチョ。 (よちさんが「にゃにゃうみの脂肪が燃えますように」と、ビリーの有酸素運動集DVDをくれました。有酸素運動で燃え上がれ、オレ!) |