其之弐百死拾九『担当各所へ告ぐ。セラミックヒーターを入手せよ』の巻



セラミックヒーターなるものを購入した。
灯油いらずガスいらず、目の前にいる人だけがあったかい電気で温風を出すファンヒーターだ。
毎朝「くう!着替えをするのが寒ィ!寒ィがしかしエアコンを入れるほどではネェ!」と、全肌をぶつぶつさせながら着替えていた僕。
そんな僕の脳裏にある時ギュイーンとよぎったのが、よちさんちにある電気で動くヒーターくんであった…!
あの、スイッチを入れるとブィーンと温風を吹き出すアイツが欲しい…っ!
早速よちさんに「ありゃ(使い心地)エエかい!?」とメールを飛ばせば、「おー、あれはいいよー(原文)」と即答。
むふー(鼻息)。
こりゃなんとしても手に入れねばなるまいて。
しかしながらわたくしの方にも予算というものがありますからのー!フニャフニャ。
「なんぼくらいで買えるもんかのー?」と、恐る恐るよちさんに尋ねてみれば、なんと温風が出るだけのシンプルなものなら五千円以下で買えるとのこと…!
す、スバらシー!!
ならば早速会社帰りにビックカメラで購入しよう。
よちさんのメールに深々と頭を下げ、その旨を伝える…と、よちさん一言。
「あーい。店員さんにいいのすすめられてもことわるんだよー(原文)」
ノーと言える日本人、いやさノーと言わざる得ない日本人(予算面で…)に僕はなる!

そんなこんなでビックカメラだ。
家電売り場に足を踏み入れれば、これでもかっちゅうほどの暖房機フェア。
エアコンから石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、オイルヒーターなど、各種ヒーターたちが並ぶその一角に「セラミックヒーター」の文字が…!
こ、これだ!!
値段を見れば…『加湿機能付き・24000円』の隣りに、ちょこんと可愛い白いヒーター3980円也。
す、スバらシー!(二度目)
む?しかしその下にも同じ値段の別メーカーのものが。ここでよちさんなら一発、腰を据えて検証を行うのだろうが、僕の場合無知甚だしいので、即店員さんに聞いてみることとする。
ちょうど棚の裏側にいた店員さんを捕まえ聞いてみる。
「コレとコレ、値段一緒なんですけど、どっちがイイですかー?」
見よ!この無知丸出しな質問!ムチムチだー!
「んー、こっちがいいです。ほとんど変わらないんですけど、敢えて言うならこっちがいいです」
しまった…!ムチムチの質問で店員さんに「敢え」させてしまった…!店員だってもっとハイレベルな比較説明がしたかったであろうて!
こんな僕に言える言葉はただひとつ。
「じゃ、そのイイほうのやつください…!」
こうして僕は3980円ヒーターの敢えて言えばイイ方を購入する運びとなった。
「はいー。じゃ、品物用意しますんでお待ちくださいー」
型式をメモって店員さんが消えて行く。
しばし待つ。
…が、店員さんがちっとも姿を現さぬ。家電売り場にしばし放置。ポツーン。
さっきまで僕がいた場所には、別の人がやって来て同じ製品をじっと見ている。
(ニイさん!買うなら上のやつ!上のやつがおススメやでー!)とココロの中でセールストーク。
しばらくすると先程の店員さんが手ぶらで現れた。
「すいません。ちょっとお待ちくださいねー」と言うと、僕が立ってた背後のラックをガラガラガラー!と開け、中にあった箱を取り出し一言。
「品物これになります」
な…!まさか僕の立つすぐそばに在庫が潜んでいたとはー!そしてそれを店員さんが探していたとはー!
店員さんに案内され、トコトコついていった先に「まとめ買いカウンター」。
すんません!
3980円一点買いのためにわざわざレジを開けていただいて、すんません!
お会計を済ませている間、先程の店員さんが持ち帰り用にバンドをかけてくれる。
ビックカメラの店員さんはみな、ステキ梱包術をマスターしており、バンドガッツリ・持ち手フンワリの大変持ちやすい形状に仕立ててくれる。
(このステキ梱包術を見るにつけ、某ホームセンターで梱包してもらった製品が、梱包不足で道を歩いている最中にベロベロと崩れてしまったのを思い出す…。某ホームセンターよ。客は皆車を持っているわけではない。デカイ製品を徒歩で持ち帰る者のためにも、従業員に梱包術を叩き込まれたし!夜光堂一同)
バチン!バチン!とバンドがかけられる音の後、店員さんがガッツリ梱包された品物を手にして現れる。
「はい。お待たせしました。ありがとうございます」
ハッ!こちらそこありがとうございます!
ペコっと頭を下げて品物を受け取ろうとしたその時。
店員さんが腰に付けていたとあるプレートが目に入った。
そこにさん然と輝くその文字は…『SHARP担当』!!ババーン!
なっ…!つまりこの人はSHARP製品のプロフェッショナルな方なわけで、僕が買った製品はおろか、「どっちがいいですかねー」と聞いた製品も無論SHARPではないわけで、SHARP製品のことならば何時間でも語り尽くし、製品の保管場所も知り尽くしておられるであろうこのお方を、わたくしはムチムチにも捕まえて他社製品を販売させたと、そう言うのか!(長いな…!)
ウム!そうだ!(認識)
くそう…もう少し早く気付いていたら、「いやぁそういえばアレですね。最近のSHARP製品なんかはどうなんですかな?『SHARPに答えて』ですか?ありゃなかなか面白い!」などと、小粋トークをかましたり出来たものを。
(すんません、今度来る時はSHARPの製品のこと聞きますんで…)と思いつつ、僕は3980円ヒーターを小脇に抱え、売り場を後にしたのだった。
こりゃ家にあるSHARP製品に足を向けて寝られぬわ…と思うも、我が家を見渡せばSHARP製品などほぼないのであった…。


(今週末から来週の頭にかけて実家へ帰省します。実に正月ぶりであります。そしてまた正月に帰ります。なんだこの偏った帰省日程…)