其之弐百御拾七『宅急便と悲惨カルタ』の巻



@ある日の宅急便荷物受け取り

ある夜荷物がやって来た。
しかし、予定外の受け取りだったため、僕はその時ビリープログラム真っ最中だったのだ!(爆)
世の中は寒空の真冬。
人々は室内でもセーターを着込んでほくほくとしているこんな季節。
玄関に飛び出た僕の格好ときたら、真っ赤な半袖Tシャツにあちこち破けたジーンズ姿だ。
おまけに汗だくで髪から滴がしたたっておるし、ハアハア言っておる。
明らかに怪しい我が姿…。
応急処置とは思いつつも、ドアを開ける前に息を整え額の汗を拭う。
(私は王女オルゲルド…もとい普通の人…普通に今まで寛いでいたただの七海水瓶座一人っ子…!)
役作りは完璧だ。
さあ来いクロネコ!!(既に来ているが)
バンッと扉を開ける。
「こんばんはー!お荷物ですー!!」
「はいっ!ご苦労様ッス!」
よし!順調だ!ハンコをついて、荷物を受け取れば終了だ!!
配達員さんとの会話が一瞬途切れたその時だった…。開け放った部屋奥から、あの声が、聞こえてきたのは…。
スチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ♪♪♪
「ワン!ツー!スリー!フォー!ファイブ!シックス!セブン!エイト!グッジョブ!!」
グッジョばない!!グッジョばないぞビリー!!
急いで飛び出して来た僕、うっかりビリーエクササイズのDVDを流しっぱなしにしたままだったのだ…!
僕の背後から響くエクササイズ人たちのカウント…叫び…そしてビリーのゲキ…励まし…ハイテンポな音楽…!
(そうです…僕、ビリーやってました…。ハイ…そうです…僕がやりました…)
その瞬間、僕は心の中で自白した…。


Aある日の宅急便荷物受け取り

その日荷物が来るのは知っていた。
荷送人が指定してくれた時間帯に僕はすっかり宅急便を受け取る準備を終えていたのだ。今日はビリーも流れていないぞ。
よし、完璧だ!ババーン!
クロネコさんがやって来るまで、特にすることもないので取りあえずテレビでも見ようかと、僕はリモコンを手にした。
…………それがいけなかった。(爆)
…何故。
何故よりによってこんな切ない話を放送しているチャンネルが偶然にも一発目に上がってきてしまったのか!
そして僕は何故にその番組にのめり込んでしまっているのか!
何もない時ならいい!しかし今はネコさん待ちだ!!
いかん!手遅れになる前にチャンネルを変えるんだ…!
ダクダクダクダク。(涙)
…手遅れた。(爆)
僕は手遅れたのだ。
理性で思った一瞬後、僕はボックスティッシュを抱えて大号泣だ。
いやこりゃエライことになった。近年稀に見る号泣だ。ハナも出るでよ。チーン。
こうして目と鼻が真っ赤になった怪しい荷受け人が出来上がった。
そんなジャストタイムにやって来たクロネコさんは、荷物を手渡す際にかなり微妙なニュアンスで「だいじょうぶですか?」と問うたのだった。
時はまさにクリスマス。
「だいじょうぶッス!テレビ見て号泣しただけなんで!」とは到底言えない威圧的空気がそこには流れていたのだった…。


Bそして悲惨カルタ

北の民より『正月は悲惨カルタで遊んだよ!』という朗らかな便りが届いた。
果たして悲惨カルタとは一体いかようなものなのか!?
一言で言ってしまえば、『あ〜ん』で始まる手作りカルタだ。
遊び方も特に変わったことはなく、読み手が札を読み、皆がそれに該当する絵札をバシッと取るだけ…。
では一体何が悲惨なのか?
ズバリ…その内容が悲惨この上ないのだ!!ババーン!
実を言うと僕もカルタ製作に少々着手しており、何点か絵と文を送っている。
涙が溢れんばかりに悲惨な内容なのでご紹介出来ないのが残念だが、各方面より集められたお題はそりゃあもうちょっとアレでアレな人ならポクッとアレしてしまいそうな逸品であった…。
その開催風景を収めた記録映像が送られて来たので、ゴクリと唾をのみつつ鑑賞。
メッセージカードには『人々の弱りゆく様をご覧ください…』と怖い文字で書かれている。
映像が始まった。
開始直後、まだゲラゲラと笑いながら元気一杯の民たち。
映像が途切れ…少し時間が経った現場風景が映し出される。
…なっ!!(驚愕)
悲惨カルタの毒気に当てられてか、皆一様に目はおち窪み…頬にも影が出来始めている…。目の周りのどす黒さに比べ、妙に青白い肌が怖い。

また映像が飛んだ。
…恐ろしい。彼らの顔の影はさらに濃さを増し、最早カルタに伸ばす手が震えている。
A井の口から何か赤いものが垂れているのは気のせいか…?

さらに時間は経過。
おおーい!!A井の出血増えてるよ!!目血と鼻血と耳血まで出てきたよ!!
ほんで何でワキ汗まで赤いねーん!!
とかツッコンでいる間に、ブルブル震えながら札を取ろうとしていたS木倒れる!!
だいじょうぶか!?S木!?

場面変わり…。
S木の姿はなく、奴が座っていた座布団の上にこけしが佇む…。
ヒィイイイイイイイイイイイイイイ!!
奴は一体どうなってしまったのか…その後悲惨カルタはどんな結末を迎えたのか…一切触れられず、映像は終わった…。

………って言うか、コントか!!(爆)
メイクまでばっちり決めおって…好き放題だな貴様ら!!
「見終わってから開けてネ☆」と書かれた封筒を開けると、そこには『本戦』と書かれたDVDと『メイキング☆』と書かれたDVDが…。
メイキングまで作りよったこのアホンダラスケがああああああああああああ…。
画面の中には、しびとメイクで微笑む彼らの、無駄にキラキラしたステキ笑顔が溢れていた。
…阿呆だな…。(アッサリ)


(とんと忘れていましたが、僕来週人間ドックでした。針を入れたまま血管をギュウギュウ押されるので、採血がイヤです。もう無理に腕からとらんと、手の真ん中あたりからギューンと一気に絞ってもらいたいであります)