其之弐百質拾灸『髪削ぎの儀式』の巻 |
|
我が地元宮城で地震がありました。 僕の実家は震源地から離れていたので、事なきを得ました。 同郷として、被害に遭われている沢山の方々にお見舞い申し上げます。 我が家では、ハハが庭に飛び出し、コケシがゴロゴロと倒れたそうです。 毎朝四時ぐらいに沢山のヘリが被災地に向って飛んで行き、夕方になるとまた戻っていくのだとか。 栗駒や一関は僕もよく遊びに行ったところ、一日も早い救助と復興をお祈りしています…! いよいよ公演! なのでボッサーとなった髪を切りに行くこととする。 とはいえ、しののねのために一生懸命増やしていた大切な髪なので、短くせずにボアボアした部分だけを削いでもらうことに。 バンッ!カランカラーン♪ 頼モー! カットをハンドシャンプーでお願い致す!(…オートシャンプーはモダモダするから厳禁である…しよしよ) 「随分伸びましたネェ」 そうですな。二か月削いでおらなんだもので…伸びたというより増えたと言ったほうがよかろうて。 「どのくらい伸ばすんですか?」 そうさね、取り敢えず今週の日曜までで伸びるところまで…とは流石に言えず、 「決めてないんで、暑くなったらまたショートに戻すやも知れませんな」 と、さり気なく『次回来る時にゃあパッツリ切るぜ』と匂わす僕。 それを聞いて、美容師ニイチャンはただただ乾いた笑いを浮かべるのであった…。 僕がこの美容院をこよなく愛す理由は、お客が喋らなければ美容師さんも喋らないという徹底した姿勢にある。 おかげでどんなに回りの席が盛り上がっていようとも、僕が座る椅子だけは、ミュートがかかったかのように沈黙が保たれている。 ハサミがシャキシャキ鳴る音と、僕が雑誌のページをめくる音だけが、その場から聞こえる…。 暗い…暗いか!? いや、心地良い!!ババーン! しかも本日の雑誌チョイスときたら、週刊誌と千葉ウォーカーという最高の組み合わせなり…!!(感涙) その幸せ感たるや、持って来たスタッフさんを持ち上げてクルクル回しながら「君は素晴らしい接客センスを持っている!!さぁ、この七海と笑いながらクルクル回ろうではないかー!」と言いたいほどだ。 分厚いファッション雑誌など、僕にとっては何の意味もない。 出来れば週刊誌と千葉ウォーカー、両方ガッツリ読み込みたいが、ここはまず定番の週刊誌をペラリ。 フームフムフムフームフム。(熟読) ショリショリショリショリ。(美容師さん髪削ぎ) 「じゃあ、一旦髪の毛流して、乾かしてから整えますんで…」 ハッ…!! ふと鏡越しに時計を見れば、既に20分ほどが経過している…。 深く読み込みすぎか…! シャンプー台で髪を流した後は、軽いマッサージと髪乾かしが待っている。 この美容院のスタッフの方は、皆「マッサージさせていただいても大丈夫ですか?」と聞いてくれるのだが、僕としては逆に「こんな石のような肩を持つ僕でも、揉んでいただけますか!?」と涙ながらに問い返したい。 手先を商売道具とされている方の指が、我が肩によりポキンと折れたら事である。 何度、美容師さんの指が僕の肩に沈めずに、うにゃっと変な方向に曲るのを見たことか…。 最終的に拳でべいべい叩かれてもビクともしない岩肩に、ただただ雑誌に目を落とすしかない僕なのでありました。 美容師さんが鏡を広げるまで、ゴシップから社会問題、さらに漫画に読者コラムまで、ただひたすら週刊誌を熟読。 千葉ウォーカーはおろか、週刊誌の最後までも行き着かぬ悲しい結果で美容院読書は終了したのだった。 その間、完璧に仕事をこなしていた美容師さんのチカラとワザにより、僕のブアッサと広がった髪はスッキリ削がれ、スッキリ!! グッジョブ!グッジョブ美容師!! しかしながら、あまりに微妙な削ぎ具合に翌日あった人々は、僕が美容院に行ったことなど気付きはしないのだった…。 (今回の公演ではヲナゴたちが皆髪を伸ばして挑むのであります!一時期は全員ショートだったのに!!) |