其之弐百鉢拾位地『嗚呼、熱き親子』の巻



我が近所に熱烈サッカー親子がいる。
休日ともなると、小さな路地で練習だ。
今日も親子は練習中。
ボールを操る息子の背後に親父がはりつきボールを奪うべく仕掛ける!
息子はボールを奪われないように、ただひたすら親父の猛攻から守るのみ!
いいのだ。
息子はおそらく地元のサッカーチームなどに所属しており、将来はサッカー選手になりたいと願っているのだろう。
そして若かりし頃、サッカー選手を夢見、かなりいいところまで行きつつも、落ち着いたところは普通のサラリーマン…今は息子に夢託す親父…。(あくまで想像)
そんな親子が休日に一生懸命サッカー練習に取組む。
それはいいのだ。
僕が気になるのは、練習時の親父…。
親父、妙に熱いのだ!!(ババーン!!)
ボールを守る息子に、背後から迫りながら親父囁く。
「ほら、そんなことじゃボールとられちまうぞ…!いいのか!?オマエのせいでチームのボールがとられてもいいのか!?」
親父よ。
いっそ叫ぶなら叫んでくれ。
息子の耳元で押し殺すような声で囁きプレッシャーをかけるのはヤメテくれエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!(爆)
のほほんとした休日の昼下がり、親子のまわりだけ異様なる緊迫感。
近くではそんな緊迫感を感じているのかおらぬのか、奥様たちが朗らかに世間話の最中だ。
親父の呟きプレッシャーを伴う攻撃。
プレッシャーに打ち勝とうと必死にボールを守る息子。
直径1mの中で行われる真剣勝負。
誰もが「はふー」と息を吐きたくたる穏やかな午後に、親子のまわりだけ「はふ!はふ!はふ!」と呼吸も荒い。
そんな熱く本格的な練習親子の横を通り過ぎる僕も、思わず(すんません…!真剣なプライベートタイムの最中、今からスーパーにうまい弁当を買いに行かんとする僕などが足を踏み入れまして本当にすいません…!)と心の中で平謝りせずにはいられない空気であった…。

そしてスーパーからの帰り道。
またその道を懲りずに通る僕の姿があった。
いいじゃないか、公道だもの。
さて、親子の練習は一体どうなったであろうかとチラリ見てみれば…む?
息子がボールを額に当てて佇んでいる。
先程とは違い、静の空気が息子が包む…。
そのあまりに澄んだ空気の中、(すんません。弁当安くて嬉しーい!などと浮かれながら通り過ぎてすんません)と再度平謝りで息子の横を通り抜けようとしたその時だった。
少し遠くで息子を見つめていた親父が、厳かに言った。
「ボールと向き合い、語らうんだ…」
息子向き合ってたー!!!
「ボールは友達、怖くないよ」とは翼くんの言だが、まさに息子は友達と語らっていた最中だった…。
それを見守る親父との間を、スーパーの袋をぶら下げた僕がぶぅらぶぅらと緊張感なく横切って行く。
なんといたない風景か。
少年漫画並の熱い特訓を、僕が思いっきり台無しにしているではないか!!(爆)
頭の中、先程購入したハネジューメロンで一杯の僕こそ、浮いた存在。
いつしか彼の夢が叶いますよう、ご近所人として心より祈っております…。
頑張れ、親子!!

親子といえは我がハハ。
先日、新しく開拓した美容院で初めてまつげパーマの現場を目撃したらしく、
「明美もやりなさい!まつげパーマ!!」
と僕にすすめる。
「2000円で出来るのよー」
とすすめる。
ハハよ…僕をどうしたいんだ…。
よくよく話を聞いてみると、
「なんかね、お母さんが髪切ってる横で、前掛けしてタオルで顔すっぽり覆われてる人がいてね!美容師さんに『何してるんですか』って聞いたら、『まつげパーマです』って言うのよー!まつげにパーマよー!プススー!」
…明らかにオモシロがっておる!!ババーン!!
プススーて!!(爆)
「明美も小さい頃まつげ長かったんだから、やりなさいよ!まつげパーマ!!プススー」
駄目だ…新しい文化に触れてハイテンションに…お母さんズハイになっている!!
僕が「じゃあやってみるよー」などと言おうものなら、おそらく現場にまでついてくるに違いない。
「2000円はイヤじゃ」と断れば「そうよねー。じゃあ振込んであげちゃおうかしら!プススー」。
…どんだけまつげパッチリのオレが見たいんだハハよ!!
「そんなに気になるなら自分でやればいいじゃないか!」
と進言すれば、ハハはクールに一言。
「それはイヤ」
今はハハのまつげパーマブームが収まるのを待つしかない娘であった…。


(松田くんが登場とのことで『ごくせん』最終回を見ました…!盗みに手を染めながらもそれに苦しみ、「やり直せるわけがない」と思いながらも心のどこかで抗っている、そんな心の葛藤が見える演技に思わず涙…!僕的に3Dそっちのけの一時間でした)