其之弐百鉢拾互『混沌世界と一本道』の巻



またこの時期がやって来た…!!
我が居住場所最寄り駅付近で行われる○○祭り2デイズ!!
広範囲の道路を封鎖、出店が並び、人々がみっしりひしめき合う恐ろしき二日間…。
この祭りの困ったところはズバリ…夜光堂練習への行き帰りに差し支える!!ということなのだ…!!
ただ移動のために駅を利用したいだけの僕に襲いかかるこのヒトゴミ地獄ッ!!
決してデカイ祭りではない上に駅前道路とてさほど広いわけではない場所で行われる祭り…祭りというかカオス。
混沌世界!
よいのだ別に。
道の真ん中地べたに座って、たこ焼きだの焼きそばだのを数人で喰らっていようが。
ただでさえ詰まり気味な人々の流れを塞き止めてまで偶然会った懐かしい友人と喋り出そうが。
やはりかき氷が食べたいからと、明らかに周りに迷惑な形で反転しようが。
たまの祭りだ、好きにすれば良かろうて。
ただ一つ、祭りの実行委員に僕が言いたいことは…。
「祭りに一切参加せずに駅だけを利用する人専用通路を作りやがれコンチクショウウウウウウウウウウウー!!」
ババーン!
おそらく前を行く普通の背広姿のおっちゃんも、この提案には仕事カバンをブンブンぶん回して賛同してくれるに違いない。
プランはこうだ。
専用通路は人がすれちがえる程度の幅で、駅から屋台などがひしめく車両通行止め地域を抜ける場所まで設置。
その幅は人がすれ違える程度のものとする。
通路は途中入退が一切出来ないよう、また使用者に「オレは祭りとは関わらないと決めたんだ…!!」という意識を持って歩行に集中出来るように、その全体をシート等で覆い祭り気分をシャットアウト。
通路使用者は事前に申請をし、書類審査・祭り実行委員会との面接を経て許可証発行に至る。
通路を悪用されないため、面接はかなり厳しいものとなるであろう。
「ここに夜光堂練習のためとありますが、夜光堂とは何なのですか?」
「はい。あのわたくし劇団で芝居をやっておりまして、夜光堂というのは所属劇団名なのですが、その稽古場への移動のために駅を使用いたしたく、こうしてお願いにあがった次第です」
「その稽古場とやらは本当に駅を使わなければならないような場所なのですか!?」
「も…勿論です!歩いて行ったら一日かかるやも知れません!」
「馬…はどうでしょう?」
「う、馬ですか!?馬は…無理です…」
「…そうですか…」
「(何故馬…)」
「では最後の質問です。その稽古とやら、あなたは本当に出なければならないのですか!?」
ババーン!!
「あなたにとって芝居とは何です!?地元の祭りに参加せず、特別通路を使用してまでやらねばならぬことなのですかー!?」
「は…はわはわ…!!はわあああああああああ…!!」
僕、玉砕…ッ!
通路を使用するためには、泣きながら雨に打たれて「芝居が好きだあー!」と百回劇的に叫ばなければならぬのだ。
心の底までさらけ出した後には、通行手形が無事発行!
祭り当日には出入り口にいるチェックメンに通行手形を堂々かざし、駅までの道をスイスイと歩いて行くのだ…!
前方には面接時に隣りの部屋で「仕事が大事だあー!!でも妻はもっと大事だあー!!」と叫んでいたサラリーマンの姿が…。
あの時のアンタ、熱かったぜ…!!
そんな道があれば、祭りに参加する側も、用事がある側も快く祭りの日を受け入れることが出来るのではなかろうか。
屋台仕込みモノたちが歩道を占拠し、まだ通行止めも行われていない車道を歩行者たちが歩かなければならない事態も解消されるのではなかろうか。
祭り実行委員会の皆様には、是非この駅のみを利用する人専用通路『ブルーシートの花道(命名)』をご検討いただきたいものだ。


(よちさんが練習日記に書いておりましたが、屋台仕込み搬入車のハイエース率の高さといったら…エライ台数でした…!!中には軽トラの荷台に荷物と人を乗せて運ぶ様も有り…、車を横付けすると同時に荷台から人がポロポロと降って参りました。ああ祭り…!)