其之弐百鉢拾肋『通勤路にて出会う』の巻



ある日の僕、ケンタッ○ーにて夕飯を購入することとした。
目指すはレッド○ットサンド単品一個!!
たった一つの持ち帰り購入に恐縮しつつ、レジへと向かう。
「いらっしゃいませ。本日はこちらでお召し上がりですか?」
いえ、持ち帰りでお願いします。えーと、レッド○ットサ…。
「ただ今出ております、夏祭りパックはいかがでしょうか!?」
…いや、いりません。で、レッド○ットサ…。
「ではまたお願い致します!」
…ンドを単品で一つ。
「えっとレッド○ットチキンを単品でお一つ…ですか?」
…いや、レッド○ットサンドを単品で一つ…。
「申し訳ございません!レッド○ットサンドを単品でお一つですね!?」
さっきからそのように申し上げておるのだが、もしやオススメの夏祭りパックを頼まず、たかだか380円程度のサンド一つを持ち帰りオーダーをした僕のことを、実は怒っているのかい…?
すまない店員さん…今の僕は祭りを楽しむ気分ではないのだ。
どっちかといえば、家で落ち着いてサンドをフモフモ食べたい気分なのだ。
なかなかチキンに対するテンションが噛み合わない我々だったが、その溝は会計を終えて製品を受け取り立ち去る際に決定的となった。
「ありがとうございます!!ごゆっくり…!!」
ご、ごゆっくり…。
僕はこのサンドを持って、ゆっくりどうすればいいのか…。
ゆっくり…帰る…暑い最中を…敢えてゆっくり…。
もしくは、ゆっくり…食べながら帰る…暑い最中を…敢えてゆっくり…モシャー…。
無情だ。


とある日の朝。
出掛ける時間の直前まで我が天敵カミナリが鳴っていた影響で、恐れをなして尻尾まるまり状態と化した僕は、久し振りに電車通勤をすべく駅へと向かった。
途中、ダッシュサラリーマンことダッシュマン(命名)に出会う。
ダッシュマンは人に追い抜かれようとしたその瞬間にダッシュを開始する。
ダッシュマンは追い抜かれることに対して敏感なのだ。
ダッシュマンのスーツズボンの裾は短い。ダッシュのしやすさを第一に考えた場合、その長さに落ち着いたのか。
ダッシュマンの革靴はユルイ。若干パカパカしている。おそらくそれはダッシュマンなりのハンデだ。多少クツがユルイくらいじゃなければ面白くない…ダッシュマンはそう言いたいのだ。
その証拠にダッシュマンは、歩行速度が遅い。人々を引き付けて…ダッシュ開始だ!!
何が彼をダッシュマンへの道へと導いたたのだろうか。
朝の占いで『今日のあなたは人に追い越されると不幸のズンドコに陥るでしょう』とでも予言されたのかも知れぬ。
嗚呼ダッシュマン。


ダッシュマンの姿を見失って後、数分後。
上半身裸族に遭遇する。
裸族はテンションが高い。
これから一日会社勤めを行うことを思い、気怠さ満点で行き交う人々の中でも、その雰囲気にのまれることはない。
裸族は(とはいえ実は上半身裸なのは一人だけなのだが)、仲間らしき上下しっかり衣服を纏った者たちと共に、何やら大声で叫んでいる。
何かに怒っているようなのだが、何を言っているのかは聞き取れない。
怒りが強すぎて、彼の言語は人々に咆哮にしか聞こえないのだ。
ウォー、裸族。
その怒りの原因を僕なりに考えてみよう。
「テメーら、何、衣服着込んでんだよ!!脱いで行こうぜ!!心さらけ出して、全力でぶつかって行こうぜ!!」
…ありきたりか。
ならばこれでどうだろう。
「ったくムカつくぜ!!身ぐるみ剥がされちまったよ!!なんでオレのTシャツばっか狙うんだよ、アイツらよぉー!!」
何があったのか逆に気になる。
裸族がどこから来てどこへ行くのか、それは分からない。
しかし確実に言えることは、勤め人が黙々と駅に向かう朝八時…裸族は物凄く浮いていた…ということである。
嗚呼、裸族。
夕飯のお肉が無事手に入ればいいですな。


とある日の帰り道、茶色いネコと出会う。
ネコマスターよち師より受けし教えを思いだし、少し離れた場所に腰をおろして待てば、「にゃー」と鳴きながらやって来て我がジーンズに顔をズリズリズリー。
ネコが嫌がらぬのをいいことに、頭やら首やらを撫でれば、僕が怒らぬのをいいことに、ネコは我が夕食の詰まったビニールにがほっと顔を突っ込む。
肉食動物と名高い僕に頬ずり寄せるとは奇特なネコだ。おかげで僕は目が痒い。(ネコアレルギー)
そんなフレンドリーキャットと出会った翌日、今度は白黒ネコと遭遇する。
しゃがんでしばし様子を見る。
白黒ネコは、目をまんまるにして僕を見て一度フリーズ。
何もしないことは解ったのか、膝先15センチほどのところをトコトコと歩き始めた。
前を通り過ぎる間、何度も何度もビックリ顔で僕を見る。
一歩。
「ナニ!?ダレ!?」
一歩。
「エ?ナニ!?ナンカヨウ!?」
一歩。
「エ?ツカ、ナンデワシミトルン!?」
今まで生きて来て、ビックリ顔のネコにこれほど二度目見を繰り返されたされたことはない。
よち師にそれを報告すると、師は「ああー、そりゃ警戒されとるにぇー」と笑った。
なにせ我が師よちは、道端でネコを撫でていると、別なネコに「わしもー!!」と囲まれるほどのネコ安らぎオーラの持ち主。
いつか僕も沢山のネコに囲まれて、アレルギー用目薬をウハウハしながら我が目に流し込みたいものである。
嗚呼、夢のネコ王国。


(水瓶座の本日(水曜日)の幸運のカギは射手座の友人だそうです…という事をこれでもかというほどによちさんにアピールしたところ、「ヤー!!」という掛け声と共に幸運パワーをもらうことに成功しました!よし!クジ的なものでも、いっちょ買ってみるか…!!)