其之弐百鉢拾谷『七海、解説される』の巻



よちさんが本屋で何やらクスクス笑っている。
見れば『ひとりっこの解説書』を読んで笑っている。
そして僕を見てニヤリ笑い、オイデオイデといざなう。
近くによれば、本のとある一ページを開いて差し出す。
そこには…、
『トイレで本を読む。
風呂でも本を読む』
といった類のことが書かれている。
しまったァ!!
よちさんは知っている…!
我が家のトイレに、トイレで読む用本・漫画が詰まれていることを…!!グハア!
(さらに言えば幼い頃、実家トイレで同じことをやらかし、ハハに持ち込んだ漫画を全て捨てられた経験もある)
お風呂はシャワーですますので流石に自宅風呂場には置いてはいないが、公演前に泊まったビジネスホテルでは読む本を持っていなかったので湯船でPSPをやっていた…!
さらに我が寝床には寝る前に読む本が、確実に百冊以上積んである…!
よちさんはきっとそんな我が家の有様を思い出したのであろう。その文章を指してウヒヒと笑った。
うむ。確かにそこは当たっておる…が、たまたまやも知れぬ。
他を検証すべく僕も本を手に取った。
パラ。
パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ…!!
あ、当たっておる!!(爆)
恐ろしいことに、ひとりっこ特性を見事なまでにズバズバ言い当てているではないか!!予言の書とはこのことか…!(錯乱)
『移動時間がキライ。出来ることなら瞬間移動で』
確かに。
幼い頃なりたかったものはパーマンだ。パーマンは移動時空を飛べる。
どこでもドアでは駄目なのか?
駄目なのだ。
みつおはパーマンであることを知られてはならない身だった。パーマンメットを被れば顔もわからぬ。
それに比べどこでもドアの友人認知度の高さときたらどうだ。
どこでもドアはそれだけであるわけではない。
当然ネコ型ロボットあってこそだ。秘密にしきれないその存在を知ったジャイアンな友人はこう言うだろう。
「七海んちはドラえもんがいるだろ?どこでもドア出してもらえんなら、早く来て運動会の場所とっとけよー」
そしてそれを断りきれずに頼めば、ネコ型ロボットはこういうに違いない。
「七海…そんなことに道具は貸せないよ。イヤだったら勇気を持って断ったらどうだい?」
うをー!!面倒臭い!!想像に過ぎぬが面倒臭い!
そんなことを考えるに、やはり秘密裏に事を運べるほうがよい。
誰かパーマンセットを僕に!
『血が出たら大袈裟なほどに人に言う。
風邪をひいても人に言う。
お腹が痛くても人に言う』
何故だ。
何故貴様、自らの不調を人に言わずにはいられない我が特性を知っているのか。
既にいい大人であるにも関わらず、堂々宣言せずにはいられない。
これはひとりっこの特性だと認識していなかったために相当驚く。
そういえばよちさんやうっちゃんが進んで「今日は○○が痛いんだよねー!」とアピールする姿は見た事がない…。クッ…中っ子さんと長女さんめ!!
それに比べ僕ときたら、「今日は腹が痛いから、ビリーの出来るところしかやらん!」と物凄い宣言ぶりだ…。
反省。
『トイレに並んでいて、後ろから自分より明らかに急を要する人が来た場合、順番を譲りますか?→絶対に譲らない。だって順番は順番』
納得だ。
納得の答だ…!
そう思ってよちさんに、「なっ?」にその部分を差し出せば、よちさん一言。
「私は…譲るなー…」
よもや世の中に事も無げにそんな事が出来る人間がいようとは…!!
そういえばよちさんは、以前全然関係ない人が引っ掛けて倒しそうになった自転車をサッと倒れないように押えたり、狭い場所を通るトラックの邪魔になる違法駐輪車をスッとどかしたり…と、素早い行動力とさり気ない優しさを無意識に発動していた。
のを、僕は横でただほけーと見ていた。
…そ、そこか!!(爆)
知らない人のためには指一本動かさぬ、まさにそこがひとりっこの徳の低さだ。
そういえば、スーパーにて買い物客が買い物カゴを引っ掛けたことにより巻起こしたトイレットペーパー雪崩を、じっと見ていたことがあった。
猛省。
よちさんがひとしきり笑った後、バタンと本を閉じ、「(ひとりっこをうまくコントロールするには)とにかくほめろってことなだな…!」と頷く。
是非シリーズとして、三人兄弟中っ子の解説書を出していただきたい。
そしたら今度はこの僕が、よちさんの生態を見てニヤリと笑ってやるのだ…。
ニヤリ。


(流石に買い込むほど自分大好きではなかったので、『』内文章はうろ覚えの曖昧なものです。興味のある方は是非本屋さんでホンモノを読んでみてください!ところでよちさんと我がハハの兄弟構成は同じです。ハハも中っ子だ!こりゃますます出してもらわねば!中っ子の本…)