記事一覧

納刀…刀を納める〔やちみず裏話〕

2007.11.05

八千の持っていた神剣は…時々練習日記にも登場していたように、結構重い。
多分、普通の女性だったら八千と同じ持ち方は出来ないだろうと思います。
あ、役者さんとかそういう鍛えてる人は別ね!
そういう話は随分書いてある気がするので、今回は納刀の話。
 
実は「納刀」(刀を鞘に収める事)をしたのが初めてでして(笑)。
あれー、今までどうしてたんだろうって思ったら…ギンジョウ(アヤカシの壺)の時はアヤカシが鞘に入れてた様な。
駿牙の時は…さっくりやられて倒れてましたし。
とにかく、抜いた事はあっても納めた事がない、という状況。
右手でだってやった事がないのを左手で…。
ふふ…最初はじっと見ながらだったり、入らなかったりでした。
しかも、鞘は縦がいいか横がいいか…というよりは、どちらがより八千らしいんだろう、とか考えながら暇なときに、しゃこんしゃこん練習。
…今だから言いますが、すいません、自宅ではビタイチ練習してませんでした。
もう、稽古場でやっただけですっ。出来て良かったです。
 
そんなワケでようやく左手で納刀が出来るようになった私。
が。練習用の刀でのこと。
私がしゃこん、しゃこん、と練習しているのを見て、竹原氏が時々刀をもって同じ事をやっておりました。
うん、私だって稽古場で刀を持ってないときあるからね(笑)。
そしたらーらーらー!
刀が緩くなってきてしまったのです!
下向けて軽く振ると、刀が落ちてしまうくらいに。
本番用の刀は真っ白という事もあり、持ち込んだ初日にみんなに言いました。
「さわる必要のないものは触るな!必要のあるものも最低限で!汚すな!」
と。
よし、これで汚れも防げ、緩くなるのも防げ…ん?
なんだこの刀!本番用なのに、もともと緩いぞ!
慌てて、小細工班として小細工を施して抜けないように致しました。
びっくりした…。
 
因みに。「練習用」「本番用」と言っていますが、「安い刀」「高い刀」という事ではなく、値段的には同じくらい。重さも同じくらい。単純に「今回使わない刀で本番用と重量が同じもの」を練習用にしただけです。
 
そんな納刀ですが。
八千だったので、左手での納刀は楽々出来るのですが…右手となると微妙です(笑)。
なんか感覚が逆でわかんないのですなぁ。

影八千の声 〔やちみず裏話〕

2007.11.04

「八千水蜘」に出てくる「影八千」と呼ばれる役。
台本にしか書いてなく、芝居中には「我は身柱の影」と名乗ったくらいなので、ヤツが「影八千」という呼び名だと知っているのは夜光堂関係者だけなのですが(笑)。
 
ヤツの声は録音でした。
勿論、私自身の声を録音して。
自分自身で編集しました。
PCに取り込んで~ちょこっといじって~♪
ん~、重ねてみよう。しかも0.2秒ずらしてみよう。
いや、ちょこっとこうして…コレもいいか?
 
結構な数の候補をつくって演出に「どれが良いッスか?」と披露。
結果、「聞き取れる音」と「気持ち悪い加工」の双方を考慮してあの音が選ばれたワケなんですが。
…斬られたときの声。
「なんか、こう、『あ゛ー!!!』みたいな感じで!」
という指定でしたが…「どんな加工にしようかな」と思いつつ、「こんな感じー?」と、『あ゛ー!』を録ってみました。
が!
「あー、それそれ!!」
…へ?
生声で結構イイ感じつくっちゃったみたいです、私(笑)。
 
そんなワケで、あの影八千の一連の台詞で、一番加工してないのは斬られたあとの『あ゛ーーーーーーー!!!』の声です(笑)。

姿勢がラク  〔やちみず裏話〕

2007.11.03

どこまでやちみずのハナシが出てくるのかナー、と思いつつ。
 
最近、姿勢がラクです。
八千は物凄いいい姿勢で、「吉田が頑張ってピンとしている」よりも良い姿勢をごくごく普通にするヤツでした。
なので、「舞台で一瞬たりとも楽な時はないと思え」と演出に言われておりまして。
練習の中盤までは無意識にその姿勢が出来ないので、「吉田の良い姿勢をする」→「一段上げてもっと良い姿勢をする」というのが、八千の姿勢の作り方でした。
 
が。
終わってみれば。
いつもの姿勢は本当にラク~。
いつもよりもちょっと良い姿勢だって、物凄いラク~。
普段如何に適当な姿勢をしていたのかが…わかるというものですなー。

八千の衣装  〔やちみず裏話〕

2007.11.02

 
公演が終わったので、衣装を洗ってしまいました。
…洗える着物なのです。
 
今回の八千はかなり重装備でした。
他の3名の役者の開演前スタンバイが異様に軽装なのに比べて…ひとりで先に準備を始めても最後まで準備してます(泣)。
まず、ハラにタオルを巻きます。
ここで腰紐を一本巻いて。
次に汗を吸わせる為にタンクトップを一枚着て。
襦袢を着て。これも腰紐で固定。
次に一重の着物を着ます。
コレを腰紐で固定。
帯は…まともにしめられないので、実はごっついマジックテープを使ってます。でも、二重巻きにしているので、かなりガッツリです。
 
足下は。
まずはストッキング(笑)。
汗をだくだくかくので、素足だと襦袢が足にまとわりついて動けなるのですね!稽古場でそうなったのですね!
次に、万が一着物がはだけても大丈夫なように、短い白いスパッツを穿きます。
で、足袋をはいて。
草履をはいて。
 
最後に上に着物を一枚羽織って完成です。
 
 
…結構重装備。
一番大変なのは、襦袢の合わせ方とその上の着物の裾の長さ調節とあわせの調整。
これを間違えると…芝居中に動けなくなります(笑)。
腰紐を加減して締めてしまってもだめで。
んがっと複式呼吸で使うところまで腹に空気をいれて、そこにギュッとしめるのです。
でも、これを見た七海に
「あれ?腹出てきた?」
と言われました。…チガウもんっ。わざとやってるんだもんっ。
 
本番2回では、この帯にちょっとしたお守りを忍ばせておりました。
ふふふ。
八千と私のお守り~♪

寝るときのこと  〔やちみず裏話〕

2007.11.01

 
11回公演「壱」の時もそうだったんですがー。
着物の役なので、今回も家にいるときは基本浴衣でした。
寝るときは勿論、大道具つくりをしないときは部屋着が浴衣。
…うん。
「八千」の為に浴衣だったんだけど。
習慣とは怖いもので。
終わってもやっぱり浴衣で寝ています(笑)。
 
あとですね。
寝るときに電気を消して、部屋を真っ暗にして。
それで、カーテンを開けて寝ていました。
部屋は真っ暗だけど、外の光が磨りガラスの向こうに見える…という状態で寝てたんですね。
これも八千の為だったんですが。
…これも、なんとなく、いまもやってます。
っていうか、カーテン締まってると落ち着かない(笑)。
 
八千が抜けて、次の公演のオハナシのキャラがきたら…自然に変わるかなー。じゃー、無理にやめる事ないかなー。
それじゃあ、今日も浴衣で、真っ暗な部屋で、カーテン開けて…おやすみなさいませ♪

これでキミも八千水蜘の舞台装置をつくれるぞ!  〔やちみず裏話〕

2007.10.31

まずは、紗幕で作られた「身柱」!
 
〔用意するもの〕
紗幕/150cm×400cm程度
ロープ/2500cmくらい
滑車/二連の滑車と一連のものを各一つずつ
巻き取り用筒/適度な重さで200cm位の円柱。直径7~10cm程度。重すぎるとあがらないので、素材は十分吟味すること
紗幕を固定する棒/適当なもの。200cm位。
 
〔つくりかた〕
まずは、紗幕の下部分を円柱にしっかりと固定します。
逆側の端は棒に固定して、天井に吊ります。
滑車を左右に一つずつくっつけます。
ロープを御簾(簾)の要領で通していきます。
これで完成!!
 

次は格子!
〔用意するもの〕
好みの長さと太さの角材だけ。
好みの巾にする分、用意して下さいね。
最低限、上下左右。後の本数はお好みで

〔つくりかた〕
組み合わせられるように、ノミを使って切り込みをいれます。
くみ上げます。
完成!!

かんたんでしょー?
…でも、本当にこれだけなんだ(笑)。

やちみず  〔やちみず裏話〕

2007.10.30

夜光堂で「八千水蜘~やち、みずち~」は「やちみず」と短縮されて呼ばれてました。
前回の「琥珀に伝う夢」は「こはく」。
長い名前ならともかく「やちみず」だと、「ち」しか略してません(笑)。
でも「やちみず」って呼び方がなんか可愛くて好きでした。
…私が演じていた「八千」の方は一文字も略されてないですけど!
 
因みに。
裏話で出てくると思いますが。
オハナシの最中に、前回の江戸街の話「壱~いち~」で舞台になっていた「江戸屋」やら、「江戸屋駿牙」やらがちょこちょこ話に出ていたのはお気づきになられましたでしょうか(笑)。
しかも、エンディングシーンにて「江戸屋駿牙の周りに風が吹き荒れている」って(笑)。わからなくても勿論大丈夫ですよー。ただ、わかる人はニヤリ、です。 
 
そういえば。
終わった実感がないのかなんなのか…不思議な事に、「八千」とお別れっていう喪失感や寂しさや…そういうものがありません。
もうちょっとしたらじわじわくるかな。
舞台上で十分悩んで泣いたので、「八千」は今後は江戸街で一人の人間として、水蜘や一二三と瓢箪爺と共に暮らしていくだけです。
今後の八千は幸せです。
まだ私の中に八千はいます。だから、不思議と私は今、幸せです(笑)。 

ページ移動

  • << PREV
  •   NEXT >>